京都の仕事で行政協議に市庁舎に行ってきました。本庁舎は1931年(昭和6)竣工、武田五一の設計です。内外ともインド様式の独特の意匠。現在、耐震改修も含めた改修工事中です。敷地周辺も含めた整備計画は大規模なもので2022年度までかかるようです。庁舎はどこも増築を重ねていることが多いのですが、今の姿を見ておこうと周辺をぐるりと回ってみました。
西庁舎はすでに建替えられており、免震構造の4階建。竣工したばかり。
北庁舎西棟は1961年(昭和36)のもの。モダンな表情ですが、窓周りは彫りが深く、凝った意匠があります。
北庁舎中央棟は1964年。西棟に引き続きの増築です。
北庁舎東棟は1974年(昭和49)。外壁がPCa版(工場製品)でおのずと窓周りはつるんとした表情となります。機能が形に現れる代表材料です。
これで一周。ぐるりと回るだけで88年のタイムスリップが可能です。それぞれの建築意匠を見ると、いかに建築がその時代の背景を背負って建っているかが判ります。イメージを膨らませると、その時代の空気が吸えるようにも思います。
こちらは道路を挟んでつい最近竣工した北庁舎です。
どこを見ても、現代の建築を感じさせるものです。
構造、環境、素材、保存・・・。設計にはさまざまなテーマがありますが、時代が求めるテーマがその時代の建築をつくっています。
下記にて全体の整備計画を見ることができますが、本館以外のものはすべて建て替わります。これも今の時代が求めるものを象徴しているものと思います。