立秋・寒蝉鳴
設計を進めながらパース(透視図)を書くことがあります。
様々な透視図法がある中で、私は簡単な断面パースをよく描きます。
空間全体を把握するにはこのパースが一番分りやすく、とくに空間が縦横にと繋がる吹抜けのある空間で有効です。
設計の最初から平面計画と断面計画を同時に考えますが、パースを描き進めると、案外、見落としている箇所があることに気づきます。
パースを描くことで、まとまっていない箇所や検討が必要な箇所が分かるので、後々の修正が少なく済みます。
「北熊本の家」(熊本市)施工:エコワークス
「北熊本の家」では、このパースから平面構成は変わっていませんが、
キッチンのレイアウトや天井の形状、構造の梁の掛け方など、
設計を進めて行く中で不安定だったところが整っていきました。
平面図だけではイメージがしずらい、大きな空間の繋がりがよく分かります。
「高屋の家」(岡山市)施工:福富建設
「高屋の家」では、ほぼこのパースの通り設計が進みました。
上下階の関係性も明快で、ワンルームの空間が掴みやすいです。
片流れの屋根の下に広がる家族室で、めいめいが思い思いの時間を過ごします。
付かず離れずの気が安まる空間です。
基本設計で打合せを重ね、空間のイメージが掴めると、パースは役目を終え、実施設計へと進んでいきます。