居心地のいいところ

「稲葉の家」(家造)

設計しながらいつも考えること、それは住まいの中でも特に中心となるリビングやダイニングそしてキッチン廻りを「居心地のいいところ」にしたいという思いです。
立って料理をつくる、椅子に座ってご飯を食べる、ファーや床に座ってくつろぐ。
宿題をしたり、テレビを見たり本を読んだり。
当たり前のことですが、それぞれに姿勢が違うし視線の高さも変わります。
落ちつけてほっとできる空間、どんなことに気を使ったらよいのでしょうか。
たとえば天井の高さや床の高さに変化を付けたり、適度な広さや開口部との関係を考える。
時には壁面の広さや仕上げの表情なども要素の一つになります。

「稲葉の家」(家造)
平屋や2階リビングの家は、勾配天井にすることにより、空間に大らかさと落ち着きの両面を感じることができます。
もちろんただ勾配天井にすればいいというものではありませんが、効果を創りやすいという利点はあるように思います。
そしてキッチンに立った時の視線や距離感も大切です。
作業の合間に開口部を通じて見える外の景色や、リビングやダイニングにいる家族との対話のし易さなどといったこともあります。
何となくそれぞれの居場所があり、それが絡むように繋がっている。
私の考える「居心地のいいところ」とはそんなところです。