秋には雲海の如く視界を覆い尽くす紅葉風景で有名な、京都・東福寺。
創建は鎌倉時代、摂政関白の藤原道家が「東大寺」と「興福寺」から二文字をとり、菩提寺として造営したと言われています。
この季節、陽の光に照らされた新緑が、紅葉に負けないくらい爽やかな美しさを湛えています。
特に東福寺三橋「通天橋」からの渓谷「洗玉澗」の眺めは、四季を通じて観るものに感動を与えてくれそうです。
東福寺には方丈と呼ばれる建物を巡るように「八相の庭」と称される個性的な庭が配置されています。
昭和を代表する作庭家「重森三玲」によって昭和14年(1939年)に完成しました。
その中でも「小市松」と称される北庭は、こんもりとしたウマスギゴケの中に市松模様の敷石が埋め込まれたように配置され、現代的な感性を感じさせてくれます。
しかし残念ながら、訪れた時は苔の状態が大変に悪く、陽が当たりやすいところは茶色く枯れて変色していました。
早く元に戻ってくれることを祈るばかりです。