イワウチワとイワカガミ

滋賀県比良山系。5月初旬と中旬、約2週間おいて全く同じ道を歩く機会がありました。そこで驚いたのは植物の開花時期の正確さです。同じイワウメ科で、同じエリアの同じような場所を住処とするイワウチワとイワカガミ。激しい生存競争の結果、きっちりと棲み分けしているのが判ります。

イワウチワとイワカガミ

上の写真は5月初旬に訪れた際に迎えてくれたイワウチワ。ろうと状の薄いピンク色の花びらで、可憐なイメージです。イワカガミも探したのですが、見ることができたのはほとんど、このイワウチワです。

イワウチワとイワカガミ

この写真は同中旬にあちこちで見られたイワカガミ。花弁の先に深く切り込みが入るのが特徴的です。開花時期が終わっていたのか、この時、イワウチワは一切見ることが出来ませんでした。
かなり広いエリアで、同種が一斉に開花し、違う種のものが次に続いていく。地形、微気候の差に影響されず、同じ時期に開花することで種を維持していくことに、あらためて自然の持つ力を感じます。

イワウチワとイワカガミ

こちらは先週、訪れた京都北山で出会ったヤマボウシの大木。白い総苞片を大きく広げ、深緑の中に一層美しいコントラストを見せ、迫力満点でした。人の手の入らない自然の中にあり、園芸種ではない自然木の力を感じます。