狭幅敷地にて

小満・麦秋至

五年前に竣工した「秋田の町屋」。
敷地は江戸時代から続く商業の中心地にあります。
敷地は間口4.1m×奥行42.0mと細長く、いわゆる「鰻の寝床」が連なる古い区割りが残る一画です。

外壁工事に必要な幅を確保すると、建物の間口は3.3m(2間弱)しか取れません。
耐震壁を幅0.9m(3尺)設けると空間が途切れてしまいます。
そこで方杖を用いたフレームを1.8m(1間)毎に繰り返す構造とすることで、細長い一室空間を作り出す事ができました。

先日訪ねた時は小雨が降っていました。
リビングから眺めた紅葉の葉は鮮やかな緑色で、室内の薄暗さとの対比が目に優しかったです。

秋田の町屋

秋田の町屋

「秋田の町屋」(秋田市)
施工:村上商店
構造:H&A構造研究所/浜宇津正
設計:田中敏溥建築設計事務所/木下治仁