奄美の高倉

奄美の高倉

以前この欄で紹介しました「前川國男邸」と同じく「江戸東京たてもの園」内に復元されています「奄美の高倉」の紹介です。
あまり一般的には注目される建物ではありませんが、4本の柱で大きな屋根を支える姿が、なかなか美しいと思っています。

奄美の高倉

穀物などを保管するための倉ですから、機能性が全ての建物。
雨から穀物を守るために、茅葺きの屋根は45度を超える急勾配、しかも厚さ65cm。
高温多湿の気候に対処するため、鳥や害虫(家にとって)から貯蔵物を守るために、茅葺屋根では珍しく網代に編んだ軒天が設けられています。
立地としては住まいの近くに建てられる他に、火災を避ける意味で集落から離れた田の近くに、まとめて建てることもあったと説明されています。
田畑の中に建ち並ぶ情景は、今では想像するしかありません。

ついでに近くに建つ農家「綱島家」
こちらに復元された茅葺き民家の中では最も古く、江戸中期に今の世田谷に建てられたものだそうです。
この民家も、いつも綺麗なプロポーションだなと感じていた建物。
手が届くほどの低い軒先と、土壁の風合いが特徴的です。
茅葺きの屋根を守るため、ボランティアの方たちが囲炉裏に火を入れていました。