河井寛次郎記念館

京都市東山区

河井寛次郎記念館

地域主義工務店の会 京都研修初日に参加しました。彩工房さん施工の住宅見学の後、河井寛次郎記念館へ。記念館では寛次郎のお孫さんでもある館長の鷺さんの貴重な解説をいただきました。こちらを訪れるのは3回目ですが、工房でもあり住まいでもあったころのようすをお聞きすることができ、あらためてこの建築に一層愛着がわくようになりました。特に登り窯が多くの職人たちでシェアされていたことをお聞きすると、この中庭で繰り広げられた賑わいが目に浮かぶようです。

河井寛次郎記念館

中庭に面した2畳の「茶室」。茶室としては使用されず、思索するための空間だったようです。前から好きだったこの空間、あらためて寛次郎になった気持ちで拝見しました。

河井寛次郎記念館

竹の天井は低いところで1750ほど。勾配は途中でフラットとなり、高さ2000ほど。中庭に面しての開口腰壁は300。開口は北側になり、室内はほの暗い。平屋の屋根越しに差す日差しで中庭の緑は明るく、軒裏のラインがそれを切り取る。定石と言われる仕組みがちゃんとできている。今回、改めて感じたのは空間のやさしさ。シャープであるけれど、人に緊張を強いるようなものは一切ありません。竹の自由なラインであるとか、調度品の曲線。美しいプロポーションでできた各部の面。訪れるたびに何かのヒントをいただけるような気がします。