備前下津井の町並み保存地区と旧野崎家住宅を訪ねて

岡山県倉敷市児島

備前下津井の町並み保存地区

旧野崎家住宅

瀬戸内海に面した下津井は歴史の古い港町で、江戸時代には、北前船による綿花、ニシン粕の中継取引港として、また、海を隔てた四国讃岐金毘羅参りをする人々の宿場として大いに繁栄した。今でも当時の回船問屋やニシン蔵など、町並み保存地区(昭和61年岡山県指定)として残され、港町独特の雰囲気を醸し出している。

岡山県民謡「下津井節」 唄/三橋美智也 より
下津井港はヨ はいりよて出よてヨ
まともまきよて まぎりよてヨ
トコハイトノエナノエソレソレ……………。

製塩業で財を成した野崎武左衛門の屋敷約3000坪の敷地には、枯山水の庭園、約42mの奥行きのある主屋、表書院などがあり、平成18年に国の重要文化財「旧野崎家住宅」に指定されている。塩業歴史館も併設され、無料で塩づくり体験ができる。庭園には茶室が点在し、平庭部を海に見立てた枯山水庭園として、築山や石組及び露地を巧妙に配している。
設立者の美意識が遺憾なく発揮されていて、格調高い建築を観ることができた。