住友の煙害克服を後世に伝える 日暮別邸記念館を訪ねて

日暮別邸記念館は新居浜から瀬戸内海の沖合約20kmの四阪島に、明治39年(1906)住友家の別邸として建設された「日暮別邸」を、平成30年(2018)に住友グループ20社によって、四阪島が遠望できる新居浜市王子町の星越山に移築し、記念館として整備した施設である。

設計者は、大阪府立中之島図書館(明治36年竣工、重要文化財)を設計したことで知られる、住友本店の技師長を務めた建築家野口孫市(のぐちまごいち)である。

重要文化財級のコロニエルを基調としたスタイル、レンガの煙突、薄いピンクに塗られた下見板張りの外壁が印象的な洒落た西洋館。また各部屋には、石積みやレンガ積みの暖炉があり、室内のすみずみや家具の彫刻にはアーツ&クラフツの装飾を見いだすことができるきめ細かなデザインである。

日暮別邸記念館

日暮別邸記念館