宿根木

宿根木

佐渡の南端に「宿根木」という小さな集落があります。小さいと言っても歴史は古く、鎌倉・室町期にはすでに存在しており、江戸時代には廻船の寄港地として、千石船の船大工や船乗りたちの里として大いに繁栄したと伝えられています。
石畳の路地の両側には板張りの家が建ち並び、江戸中期から明治初期にかけての街並みを残しています。船大工が多く、造船が盛んだったころの船板の半端材を利用したと言われ、腰板と言われる36mmの厚板が特徴的です。


 
朝早く訪れると、強い潮風で付いた海水を洗い落とすためか、ホースで外壁に水を掛けたり、窓を開け朝ごはんを食べていたりと、普通の暮らしがありました。現在もほとんどの家には住民が住んでおり、日々の生活を営みながら大切に守り伝えています。一般に公開している廻船主の家で、案内していただいた方が教えてくれました。向かいの家も去年までおばあさんが一人暮らししていたけど、今は空家になってしまった、と。住人が減っていく中で、守っていくのは本当に大変なことという事が良くわかりました。

宿根木