架空の家

学生時代の計画案。計画案といっても住宅雑誌に提供した架空の家である。
その昔、月刊誌に架空の小住宅の連載ページがあり、そこに連載されたいくつかのうちの一つで、出來がいいのでとっておいた。
玄関に庇が付いていないなどの問題もあるが、若気の至りということにしておこう。(外観の表現にも間違いがある)
連続するタウンハウスをイメージしたものだが、実際に建ったらおもしろそうな家だと思う。
当時の平屋の基礎はIの字型の、今では考えられないほど簡易なものだった。2階建てでも逆Tの字型の基礎で、地盤がゆるければ底部の幅を拡げて対応する程度だった。現在主流の軟弱地盤用のベタ基礎など影も形もなかったし、断熱材も出始めの頃で、断熱性能をほこる家など全くない時代だった。それでも質の高いつくりで気持ちのいい空間をもつ家はたくさんあった。
当時や、もっと以前に建てられた家を気に入って今でも住み続けている例を見るにつけ、現代の住宅は本当に進化しているのか疑問に感じる今日このごろである。

架空の家