まちかど建築でタイムスリップ no.9

京都ハリストス正教会 生神女福音聖堂/京都市中京区
設計:松室重光 建築年:1901年(明治36年)

京都ハリストス正教会 生神女福音聖堂

もう、13年も前のスケッチ。当日の照りつける太陽や親切な神父さん、駆け足で回った蹴上、南禅寺周辺もしっかりと記憶に残っています。どうやら、「描く」ことは、持っている感覚をフル動員しているようです。

京都ハリストス正教会 生神女福音聖堂

東京では「ニコライ堂」でなじみのあるロシア正教会ですが、京都では御所の南に明治36年、「京都ハリストス正教会」として建設されています。設計は京都府庁舎と同じ松室重光。資料によるとニコライが教会プラン集から選んで指示したとありますが、どのようにしてビザンチン様式(しかも木造)をこなすことができたか不思議です。このあたり、100年前の設計者に問いかけながらのスケッチ。
日露戦争はじめ先の大戦、異教の迫害を乗り越えてきた建物です。建物自身が生きた歴史であり、その歴史を想像すると多くのことをここから感じとることが出来ます。
周辺のマンションなどの開発とは一線を画し、毅然として建ち続けています。

京都ハリストス正教会 生神女福音聖堂

敷地内にある宿舎におられる神父さんに声をかけてから時間をかけてスケッチ。集会前、特別に聖堂内のイコノスタス(聖像を描いたフレスコ画)を拝見させて頂くことができました。