まちかど建築でタイムスリップ no.4

大阪を拠点に全国で多くの足跡を残した建築家、村野藤吾。村野建築はいろいろな意味で寿命が長く、建替え更新ペースの早い大阪市内都心部において、今も多くの建築を見ることができます。

中村健太郎法律経済事務所/大阪市中央区
設計:村野藤吾 建築年:1938年(昭和13年)

中村健太郎法律経済事務所

3階建ての小ぶりな事務所建築。建物全体は四角い箱の近代建築ですが、玄関周りはとても繊細なデザインが施されています。外壁タイルから少し面内で納まった花崗岩額縁の内側50cmほどのスペースに上質のデザインが詰まっています。玄関上部のランプ、玄関扉とその欄間のガラス面内側の格子、上部バイアス状の格子。いずれも練り上げられたディテールを感じます。

中村健太郎法律経済事務所

日頃の仕事とは全く違う世界ではありますが、古いものに接する時、今に通用するデザインのアイディアをもらえのではないかと思っています。残念ながら中に入ることができませんが、きっと上質な玄関ホールがお客様を迎えていることと想像します。