普段、ほとんどの方たちは完成された家しか見ることができません。
工事途中の状況を確認できるのは、工事関係者以外では依頼した建て主(施主と言います)くらいのものです。そこで地味なのですが、家造りの基本をいくつか紹介していければと思います。
少し解りにくいのですが、左奥の緑色の壁が張られているところがあります。実はユニットバスが入るスペースです。建築基準法上、東京などの市街地は外壁の防火指定を受けることが普通です。詳しくは書きませんがその場合、建物の外周壁は内側に石膏ボードを張らなくてはいけません。それはユニットバスで見えなくなるところも同様なのですが、張らないで済ませてしまう工務店も存在します。
こちらも解りにくいのですが、ピンクのボードが天井下地の上まで伸びています。前述しました防火のための石膏ボードは梁(床や屋根を支えるとても重要な構造材です)まで伸ばさなくてはいけません。そのため、工事手順としては壁の石膏ボードを梁まで張り上げた後に天井下地を取付けるという事になります。しかし先に天井工事を行い、壁のボードを天井までしか張り上げず、天井裏の部分を省略するケースが見受けられます。地方などで防火の指定がなかったり、敷地が広く隣地や道路までの距離をとれる場合には問題ないのですが、このような基本的なことを普通にきちんと行うところが信頼のおける工務店と言えると思います。