雑誌「チルチンびと」別冊44号掲載 埼玉県 ㈱小林建設
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てたいと思ったのです」。  地元の木材と大工の技を生かすこ と、これまで小林建設が取り組んで来 たパッシブデザインを生かした本物の エコハウスであること、そしてデザイ ンが洗練されていること ―― 小林社 長が新たなモデルハウスに求めたの は、いわば同社の集大成であり、さら に未来を拓くシンボルとなる建物だ。 そのため設計は3年前に「自立循環型 住宅研究会」で知り合った住まいと環 境社の野池政宏氏、MSDの三澤文子 氏、そして小林建設の3者のコラボレ ーションで行い、実験的ともいえるモ デルハウスを実現させた。 太陽熱、太陽光、風、地冷熱 自然の力を生かしきる  パッシブデザインのメインとなる太 陽光と太陽熱の利用については、太陽 熱と太陽光を同時に使うOMクワトロ ソーラーシステムを導入。南側に太陽 光パネルを載せた大きな屋根を設けて いるが、その先端部がガラス張りにな っており、このトップライトが、玄関 から入ってすぐのサンルームに光と熱 を導いている。「我々は南側に大きい カタチを〝への字屋根.と呼んでいる んですが、太陽の力を生かせるこの屋 根を採用されるお客さまが増えてきて います」(小林社長)。  このほかにも、風を有効に導くため、 下/和室とリビングの前にはサンルー ムを設けた。式台はニレ材になぐり加 工を施し、ベンガラで彩色。その上か ら拭き漆で仕上げている。冬は鉄平石 の土間に蓄熱し、夏は断熱建具を閉め て日射を遮蔽する。サンルームの突き 当たりの扉はベンガラ塗り。 右2点 /サンルームの開閉可能な建具(左)と、 視線を遮りつつ風を通す無双窓(右)。

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