news letter 「住まいと健康」を考える 東賢一

WHO報告書:都市部の健康に関するグローバル・レポート

世界保健機関(WHO)が国連人間居住計画(UN-HABITAT)と共同で今年発表した「都市部の健康に関するグローバル・レポート」を紹介します。この報告書の構成は以下のようになっています。

第1節 より健康な都市へのビジョン
1)持続可能な開発に向けた健康格差の縮小
2)都市でのユニバーサル・ヘルス・カバレッジの推進
3)感染性疾患に打ち勝つための都市の利点の活用
4)非感染性疾患:都市部において新たに蔓延する疾病の克服
5)21世紀型の栄養不良への取り組み
第2節 人々のための都市計画
6)すべての人に安全な水と衛生環境を提供する
7)より健康で、持続可能な都市設計
8)都市における移動手段の転換
9)住まいにおける健康改善
10)都市の安全を確かなものに
第3節 都市の行政:健康の公平性に向けて全体が連携した取り組みを

主要な論点は、都市における健康とその格差に複雑な課題があることです。ただ、都市において健康を増進するには、保健制度の強化だけでなく、都市環境の改善が重要だと指摘しています。

第2節-9「住まいにおける健康改善」の章は、皆さまにも関心の高いところかと思います。ここでは、(1)良質な住宅の不足問題、(2)既築住宅の適切な改善、(3)固形燃料の燃焼による室内空気汚染問題、(4)適切な費用対効果が得られる住宅開発、などについて解説がなされています。

WHOの報告書は、以下のサイトで入手可能です。日本語の要約(エグゼクティブ・サマリー)もあります。

Global Report on Urban Health: equitable healthier cities for sustainable development
http://www.who.int/kobe_centre/measuring/urban-global-report/ja/

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