• く・ん・じょう

    彗星倶楽部は稲垣足穂(1900-1977)の小説のタイトルから名付けられました。世界のどこかに時にはとどまり、時には旅にでる。ある時はバー、ある時はカフェ、そしてギャラリー、作品を制作したりもします。無軌道な彗星でありますからいろいろな人々と関わり「なにか」を準備し、創り、動いているわけですので、これは〇〇です、と言えるものではありません。生きて死ぬ、その間の旅を彗星になぞらえています。写真は金沢市の大正時代の薬局山岸薬局ビルで行われた彗星倶楽部主催のパフォーマンス《くんじょう》。コロナ時代に植物を使った治療をする不思議な薬局を造りました。明治以降西洋の薬が輸入された日本、それまでは漢方薬が主流であり、石黒薬局も烏犀圓(石黒傳六商店)や犀角赤薬、牛黄圓などの漢方薬を主に販売していました。この3日間、地下に薬草、香草を中心とした乾燥植物を持ち込み、コロナ禍の人々を心身ともに薬草の香で全身をアロマ香浴。植物の息吹をこの場所にもたらすことで燻蒸(浄化)させることにしました。ナースたちは一瞬現れ消えました。

    《く・ん・じょう》
    日時:2021年7月30日(金)、31日(土)、8月1日(日)
    場所:金沢市石黒薬局ビルディング
    主催:彗星倶楽部
    共催:石黒薬局ビルディング
    制作:道念邦子・中森あかね 
    照明:宮向隆
    協力:村田屋旅館、安井未星(帆斗里)、金沢市森林組合
        AYANO、石引にて
    監修・協力:菅野圭祐研究室(金沢工業大学)
    撮影:Nik Van der Giesen

    • 略歴
      1998年 金沢市片町にバーとしてオープン 
      2000年 店内で展示をはじめる
      2008-2010年 浅野川沿いでカフェ営業
      2012年― 展示・企画・出版

      これまでの企画
      展覧会:今村文・河口龍夫・田聡美・新保裕・カナザワ・フリンジ・野村佐紀子・岡本健児・森田志宝・中島夏ほか

      中森あかね作品として
      2013 《茶人の不在 Absence of the Tea Master》共同制作
      かほく市西田幾多郎記念哲学館
      2016 《聴く、話す》atelier belette 大阪
      2017 《空の庭》彗星倶楽部 金沢
      2020 グループ展《きのふいらつしつて下さい》金沢市横山町町家 共催:ことのは不動産株式会社
      2021 《金沢市石引1丁目13-30》 金沢市石引山岸薬局ビルディング 
      2022 《くんじょう》中森あかね・道念邦子 金沢市石黒ビルティング

       
      ほか