柿の木を残して

平屋建ての住宅

田中敏溥建築設計事務所との共同設計、実に12年ぶりのことです。
信州は佐久穂町に竣工した平屋建ての住宅。
東西に長い敷地ですが、西側の桜並木を望むべく、あえて西向きに計画しました。
アプローチとなる東側道路からの間口には、立派な枝ぶりの柿の木が一本。
建主さんからは「邪魔になるなら伐ってもいいですよ」という、イヤむしろ「伐ったほうがいいですね」というお話。
確かに車が入るには少し不自由かもしれない、実が落ちることも考えると微妙です。
しかし田中は、最初から残すことを提案しました。
伐らなくても何とかなりそうだし、むしろ残したほうが家にとっても良いという言葉に、建主さんも快く同意していただきました。
工事の妨げになるとのことで一部の枝を落とすことにはなりましたが、枝ぶりは健在で、道路からの佇まいに色を添える結果になりました。
数年後には落とされた枝も伸びて、また元のような姿を見せてくれると思います。