独楽(こま)
『日本の児童遊戯』を著した中田幸平によると、「独楽」という名は紀元900年代のはじめに書かれた『和名抄(わみょうしょう)』に「古末都玖利(こまつぐり)」とあるのがもっとも古く、「独楽びょう師」と呼ばれる専門の占い師によって神仏事など宮廷の儀式で吉兆を占うために、紫の紐を用いて厳かに回されていたそうです。それが貴族階級の遊びとして取り入れられ、庶民にまで広がったのは江戸の頃。とくに「博多独楽」は、日本で初めて木台に鉄芯を打ち込んだ芯棒を備えた独楽とされ、安定感や回転寿命において、それまでのものをはるかに凌ぐ性能を誇りました。
創業100年を越える隈本木工所では、「博多独楽」と同じ平独楽の「八女独楽」を作り続けてきました。「八女独楽」は上面の中心にとがった“ヘソ”が付いているのが特徴です。自分で芯を調節しながら遊ぶ昔ながらの楽しみ方を伝えてくれるこの平独楽は、往年の独楽ファンにも「これぞ独楽」と言わせる逸品。佐賀県玄海町周辺のマテ樫(マテガシ)をはじめ国内産の良質な木を伐採し、1年ほど寝かせてから機械で荒削りをし、その後、特徴となるヘソ部分などを代々受け継がれてきたロクロ技術で丹念に削り、磨き、下塗りから絵付けまですべて手作業で仕上げていきます。塗料は天然の木油ベースで木の呼吸を妨げず、赤ちゃんの口に入っても安心なものを用いています。世代を超えて楽しめる、シンプルで美しい玩具です。
八女独楽
中:Φ7.2㎝ 470円(税込)
大:Φ8.4㎝ 600円(税込)
独楽工房 隈本木工所
HP:http://www.yamegoma.jp/
取り扱い店:うなぎの寝床
〒834-0031 福岡県八女市本町267
TEL: 0943-22-3699
営業: 11:30〜18:00 月~水・休(営業:11:30〜18:00 木・金・土・日・祝日)
HP:http://unagino-nedoko.net/