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先生にもらった勇気

串田敦子(イラストレーター)
1回目1970年頃 2回目 1980年頃在籍

セツに入学したきっかけは、学生の時、雑誌『装苑』で、セツ先生と学校を紹介したページを見て、どうしても行きたくなり、20~21歳くらいの時、夜間部に入学できました。感激しましたことは、先生たちの服装です。無造作ですがおしゃれな配色で、魅力的でした。初川先生のファッションがすごく好きでした。布製のシューズを履き、新鮮でした。いつも感心して見ていました。

タブローやファッション画も自由で、きれいさやかわいさを感じさせ、こういうものを描きたいと思いました。服飾関係に就職を希望していましたので、セツで新しい画に出会い、励みになったと思います。その後、就職をして10年ほどたちまして、また、セツに通いたい気持ちになり、卒業証書をセツ先生に見せて、夜間部に入学していいことになりました。私も、歳をとっていたので、ドキドキは少しになりましたが、セツ先生はカリスマなので、お目にかかると、やはり緊張感はありました。先生は、いつも自然で、たまに女の人の口調で喋ります。その声を聞きながら、ロビーの画を見たり。中庭で木のテーブルを囲んで友だちや先生たちとおしゃべりしたり。薔薇の木に花が咲いていたような。

毎年、秋に開かれるゲリラ展には、できあがった画を電車で運んで、先生から何か一言ほめられて、やる気がでたものです。その打ち上げの会では、とん汁をつくり、パンやワインで、みんな一緒にわいわいと…… いい想い出です。先生に特別教えてもらえることはなかったのですが、先生の細いズボンの色遣いを見たり、偉い先生なのにあの軽さは、と思ったり。セツ・モードセミナーに行くことができて、よかったです。セツ先生には、ものをつくる時の勇気をもらった気がします。

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  1. 星信郎ゆう より:

    串田さん お久しぶりです。 たびたび個展のDMを頂戴しながらちょっと遠方でなかなか行けませんでした。
    串田さんの絵は昔から自由奔放に軽く明るく美しい色、セツ先生を描いたこの絵も、春の光そよ風、、、70年80年ごろはセツも絶頂期、串田さんいい時に通ってましたよ。
    どんな時代が来ようとも私はわたし、串田さんは自分のカラーを貫いてるように思う、ホンモノはやっぱりいいね。
    ぼくも頑張ろう!、、、この歳で。

  2. 串田敦子 より:

    星先生
    ごぶさたしています。 私は、 セツのいい時代に、学校に通うことができたのですね。コメント、ありがとうございます。とてもうれしく、励みになります。先生も、お元気そうで ! どうか、ご無理なさらずに!

  3. Kasey Gramling より:

    I think more writers should take care to write with passion like you. Even informational articles like this can have personality. That’s what you have interjected in this informative article. Your views are very unique.

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