BEAN To YOKAN BAR

小豆(Bean)から羊羹の棹もの(Bar)ができるまでの全工程を一貫して製造するスタイル。小さな工房が個性あるものを小ロットで作るというムーブメントを「和菓子にも取り入れたら」と試みた。


○ harmony with nature                                  「小豆はネムノキの花が咲く頃、畔に三粒ずつ蒔け。一粒目は虫がかじっても、二粒目は鳥がついばんでも、三粒目は人の口に入るように。」集落の婆ちゃんに授かった豆と知恵。季節に寄り添い、「人も自然の一部」として生きることを教えられました。自然の暦に合わせて、虫や鳥と共生した昔ながらの環境に負荷のかからない小豆栽培をしています。


○ satoyama landscape
耕作放棄地や田んぼの畔で小豆を栽培することで世界農業遺産・能登の里山里海の景観を守ります。


○ traditional knowledge                                  能登のばあちゃんたちの伝統知に倣い、種蒔き、収穫、調整は手作業です。毎年収穫した小豆を農耕儀礼アエノコトにて田の神様に感謝してお供えしています。自家採取した小豆を種にして翌年の小豆を栽培しています。



○ sustainable
お客さまに羊羹を召し上がっていただくことで能登の里山での暮らしや自然、景観、伝統知などが守られ、作り手、住み手の生きがいとなり続けることができます。あんこはつづくよ、いつまでも。そんな想いを込めてBEAN T∞ YOKAN BARです。


○ organic azuki bean
農薬や化学肥料、除草剤を使わず、能登の海で育った牡蠣殻堆肥、薪ストーブの灰などを施しています。

○ single origin
集落のまるやま地区の耕作放棄地を開墾した畑、田んぼの畔のみで自家栽培した小豆のみ使用。



○ hand pick
小豆は鞘の熟す時期がバラバラなので一つずつ手摘み収穫「鞘ぼり」しています。




○ biomass energy
餡炊きは、能登燃焼機器工業の珪藻土切り出しかまどにて、熱伝導の良い銅鍋を使用して大野製炭工場の炭火で小豆を茹でています。

○ up cycle
羊羹のこし餡作りででた小豆の皮は集落の紙漉き場仁行和紙で和紙にすき込んだり、堆肥などにして活用しています。




○ small batch
小豆の自給自足から始めるのでとても小さな取り組みですが、だからこそ土地の風土や背景を伝えられる個性ある羊羹。風味の落ちない美味しいうちに召し上がっていただきたいので賞味期限を通常より短めの製造より2ヶ月としています。



○ craft yokan
種蒔きから、草刈り、かまどで餡炊きと丹精こめた羊羹です。小豆や野山のものの個性で、毎回同じには仕上がりません。手作業で充填しているため、多少大きいものもあります。パッケージは極力簡素化しつつ、市販の紙箱に「人と自然の関わり」などのイラストをシルクスクリーンで一枚一枚手刷りしています。

一体これは何だろう。つくりながら自分に何度も問いかける。

農産物のトレーサビリティとか、栽培から加工までする6次産業化とか、地域の特産品作りとか、付加価値をつけてブランド化とか、補助金を投入してデザイナーの作るオシャレな田舎の産品とか、でもない。

生産者と消費者とか、都市と田舎とか、老舗とインディーズとか、もろもろの境を超えて、伝えたいのは、能登で目の当たりにした「日本の自然観」なのかもしれない。それをグローバルな眼差しで俯瞰してみたような… 日本の原風景に還ってきた。

ただ当たり前に、身の回りにあるもので、しあわせが湧いてくる。

あの日から、変わったものは沢山あるけれど、変わらないものがここにある。