「なかきよの、とうのねふりのみなめさめ、なみのりふねのうとのよきかな。」
これは回文であり初夢のために枕の下に敷いて寝るお宝という絵に添えられるしきたりの言葉である。
橋田邦彦というのは敗戦時の文部大臣であり、戦犯の裁判に出席する日の朝自決した、私の父親の師である。彼が残した言葉で「百聞不一見」の対語として「百見は一試にしかず」。
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いろんなことを思いだした。
]]>今回私も見えることを発見した。病院の天井はアコスティックボードのむらむらの模様があるが、それが「均等の点々」に変化したり、「全体にオレンジ色の点々」に変わったりする。色はないはずが「緑・青・朱などの点々」になる。空間のどこかから供給されている色の成分が、光の調子によって合成されるのは必ずしも脳の欠陥ではないことを発見した。視学会の先生たちはご存知だろうか?
夕焼けのあしたは天気。「朝焼けは女の腕まくり」で大いに洗濯をしてよい。観天望気と言って、よく空を眺めていると天気予報ができる。中学3年の時、寮生活を1年した。毎日午前9時と午後3時に気象通報をきいて天気図を描き、夜の食事の後で天気予報をした。空を眺めることが好きになった。予測の楽しさもあった。日本中の人が、もっともっと勇気をもって観天望気を行い、我田引水を行い、自分のものの考え方を見つめる習慣をつければ、日に日に科学的なものの考え方をすることができると思う。気象庁の人たちよ、ためらわず自己主張して下さい。
※イラストも筆者
]]>練馬区の住宅相談を建築家のグループで引き受けていた時期がある。ある時来た人が「家を建て替えたいのですが」と言うので「何年たちましたか」ときくと「40年もたちました」と言うので「あなたのお年はおいくつですか」ときくと「40才です」と答えたので「まだお若いではありませんか。家も同じように大切にしてください。直したいところがあれば考えましょう。」と言うと、大変ものわかりのよい人で賛成してくれた。多分愛知芸大(※)も、もう年を取って老人になったと思われているらしく、盛んに「建て替え方向」に向いている。せっかく学校法人になって「儲けなければならない身になったのだから、隣の万博会場跡地の公園といっしょに公園にして「芸大アトリエ団地」をつくり、レストランもつくり、楽しい市民のための文化施設にしようではないか。職員住宅は安く直せる。学生数は減る一方だから楽しい文化施設をつくることを心から望む。
東京工業大学の藤岡洋保先生(建築史)の造語で「直すことは創ること」というのがある。ヨーロッパの人は建物を直すのにとても熱心だ。日本人はあっさりしすぎているのかもしれない。しかし、建物に住む人や公共建築を使う人にとって、一番大切なのは保守管理だ。建築家はすべて「基本設計」「実施設計」「現場監理」「保守管理」契約の4つをすべきである。保守管理という仕事は高度な技術を要し、複雑で手間のかかる仕事だが、建築家たるものはそれをすべきだと思う。それよりも先に、もっともっと長持ちする設計をすべきだ。建築家や建設会社が大変長持ちする設計をしたのであれば、もっと大きな世論が壊さないことを支持するようになるだろう。
※愛知県立芸術大学:まことさんの師・吉村順三さんが設計。1966年の開学以来、緑が育まれ、自然環境と見事に建築が調和していたが、大規模な改造が始まっている。
]]>問題はその2案である。やむを得ない状況ではあると言うもののコンセプトがない。より早くて、より安くて、より丈夫なものが選ばれた。状況がこのような場合これしか考えようがない。もしも私ならばまずはあそこには建てない。サッカーもラグビーもその他の競技場も各地にあるではないか。開会式の会場さえあればいい。世界に類をみない野外開会式というのをやってみようではないか。高度な技術をもってすれば天空に絵を描くこともできる。仮設の席は必要かもしれないが後々の転用を考えればよい。
雨だったらどうする。ならば5日間くらい候補日をつくっておけば余裕である。もしもどうしても建物をたてなければいけないのであればあのような形にはしない。全体形は四角く軽量化を図る。地下はすべて駐車場と設備のために用いユニットで構成された浮き構造とする。上物は小さな部材が組み合わさって大スパンを形成するような構造とする。建物は極力軽くて、安くて、丈夫なものとする。
一番大切なのは椅子である。椅子は単体としても美しく解体組立が可能。それ自体が各国語の同時通訳が可能な端末であること。このプロジェクトによって世界的に通用する特許がいくつも生まれる。全体の建物の形は四角いと言ったが天窓も四角いから開閉は安全である。全体を大きな緑色の森とする。駅からのアプローチも富士見の間もあったり自然となじんでいる。技術にお金をかけてなおかつ総工費もおさえたい。常に建築家は護りの姿勢ではなく前進しなければいけない。
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