news letter 「住まいと健康」を考える 東賢一

Archive
Tag "室内空気質"

ドイツの室内空気質ガイドライン-二酸化窒素と1,2-ジクロロエタン-

1)二酸化窒素
ガイドライン1:0.08 mg/m3(1時間値)
ガイドライン2:0.25 mg/m3(1時間値)
主な排出源:石油ストーブなどの開放型燃焼器具からの燃焼生成物

日本では環境省が大気環境基準として、1時間値の1日平均値で0.04~0.06 ppm(約0.08~0.11 mg/m3)以下を定めています。

2)1,2-ジクロロエタン
3.7 μg/m3(10万分の1の発がんリスク)
0.37 μg/m3(100万分の1の発がんリスク)
主な用途:1,2-ジクロロエタンは、塩化ビニル樹脂の原料である塩化ビニルモノマーの生産に使用されています。有機溶剤や燻蒸剤としても使用されます。

日本では環境省が大気指針値として、1年平均値で1.6 μg/m3(10万分の1の発がんリスク)を定めています。

—-

(参考)

ガイドライン2は健康影響ベース、ガイドライン1は予防のためのガイドラインです。ガイドライン2を越えていたならば、特に、長時間在住する感受性の高い居住者の健康に有害となる濃度と判断されるため、即座に濃度低減のための行動を起こすべきと定義されています。

ガイドライン1は、長期間曝露したとしても健康影響を引き起こす十分な科学的根拠がない値と考えられています。しかし、ガイドライン1を越えていると、健康上望ましくない平均的な曝露濃度よりも高くなるため、予防のために、ガイドライン1とガイドライン2の間の濃度である場合には行動する必要があると定義されています

従って、ガイドライン1が、長期間曝露による健康影響を未然に防止するうえで目指していくべき室内空気質といえます。

Read More