木の家を知る

 

前回に続き、在来工法(木造軸組工法)の各部の名称をご紹介します。
 
ベルトのような
胴差し(どうざし)
胴差しは2階の床をつくるための部材ですが、外壁まわりにあって、通し柱と通し柱をつないでいます。また、耐力壁である外壁をつくる大切な部材でもあります。
 
最上部にある
母屋(もや)
屋根をつくるために、最も高い棟木と最も低い桁との中間の高さにあって、棟木と平行に、垂木の下に架けられた部材を母屋と呼びます。また、棟木と同様に、屋根の荷重を受け、小屋束へ力を伝えるのですが、小屋裏空間(屋根裏)をつくる場合は、母屋の断面寸法を大きくすることも必要になってきます。
 
屋根をつくる斜め材
垂木(たるき)
垂木は木造軸組工法には数すくない斜め材のひとつです。下に垂れているから垂木と覚えてください。垂木は屋根をつくる下地材で、桁、母屋、棟木の間隔によってその断面寸法が決まります。その間隔が広がれば断面が大きくなり、4寸角の垂木もありますが、4寸角以上になると垂木と呼ぶべきか、登り梁と呼ぶべきか迷うところです。大きな断面の垂木は、屋根をつくる下地材としての役割だけではなく、屋根荷重を下に伝え、風圧力を受ける構造材として働くことになります。
 
構造用合板でつくる
耐力壁(たいりょくかべ)
構造用合板による耐力壁が総合的には耐力が確実に確保できると考えてもよいでしょう。これは他の合板とは強度、耐久性ともすべて違います。構造用合板を使うべき壁に型枠合板(コンパネ)などが張られることのないように、構造用合板のマークをしっかり確認する必要があります。釘は決められた種類の釘(N50)を決められた間隔(150㎜)で打ち付けなければなりません。「構造用合板の命は釘」といっても過言ではありません。ホルムアルデヒド含有量によってF1、F2、F3と分類されていますから、過敏症で心配な方には特にF1タイプをおすすめします。
 
荷重を下に伝える
梁(はり)
梁には床をつくり、床の荷重を受けて下の柱に伝えるための床梁と、屋根の荷重を受けて、それを下の柱に伝えるための小屋梁とがあります。荷重を受ける梁は強度が要求されますから、アカマツが適していますが、最近ではマツクイムシの影響でアカマツが少なくなり、それに代わるものとしてベイマツ(ダグラスファー)がよく使われています。また、強度が確かなものであればスギも使うことができます。
 
耐力壁の中の斜め材
筋違い(すじかい)
耐力壁をつくるために壁の中に入れる斜め材である筋違いは、部材の中では歴史が浅いものです。これは、ただ入れるだけでは十分にその役割を果たすことはできません。圧縮力(押し付ける力)にはこの斜め材が踏ん張って抵抗しますが、引張り力に対しては、しっかり接合されていないと、即材にバラバラになってしまいます。筋違いと横架材、柱との接合は必ず金物を使わなければなりません。筋違いの部材は断面が45×90㎜の半割材を使うことをおすすめします。
 
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