デッキは家や庭とのつながりを持たせることで「思わず出たくなる場所」になる。室内のフローリグと同じ方向にデッキ材を張れば、視覚的にもより広く感じられる。

段差をつけたデッキの構造

デッキの広さがある程度確保できる場合、デッキをステップダウン(段差をつけること)させることで、庭とのつながりを自然にすることができます。段差は15㎝くらいにしておくと、腰掛けるにもほどよい高さです。また、デッキの木部が庭土と直に接しないよう、必要に応じて土間コンクリートを立ち上げるようにします(図1)。

庭を囲むように塀を設けるのであれば、表裏で板を交互に張る「大和張り」がおすすめです。通常のすのこ張りに比べて視線を通しにくく、それでいて風が通るので、デッキを囲む植栽も育ちやすくなります(図1)。

図1/デッキのステップダウンと大和張りの板塀

2階デッキの基本構造

2階にデッキを設ける場合、デッキを支える束(柱)は屋根の上に立てないのが基本です。屋根の上に束(柱)を立てると構造が不安定になりがちで、強風で浮き上がる危険性があり、また、屋根とデッキとの隙間に雨水やホコリがたまることで屋根を傷つける可能性もあるからです。束は地面から立てるようにし、かつ本数は多め(デッキの1辺に2本以上が目安)にしましょう。デザイン上、どうしても屋根に立てたい場合は、図2のような工夫を施すとよいでしょう。

図2/屋根置きデッキの工夫

2階デッキは水はけと防水に配慮します。近年の異常気象で、都市部でも集中豪雨に見舞われるケースが増えています。2階デッキに雨水があふれ、さらに強風にあおられたりすると、水が室内に流れ込む危険性があるのです。それを防ぐには、まずデッキと室内の入口に15㎝以上の段差をつけます。さらに、図3のように水はけに十分注意したつくりにします。排水溝には落ち葉などが詰まりやすいので、すぐに取り除けるように排水溝の上に張るデッキ材は少なめのビスで留めておきます。また、デッキから雨漏りしないよう、2層のFRP板でしっかりと防水します。

図3/水はけに配慮したつくり