室内と庭をつなぐウッドデッキは暮らしを豊かにしてくれる。

ウッドデッキをつくる6つのポイント

デッキは、家の内と外を曖昧につなぐ半戸外空間。日本古来から親しまれてきた縁側の心地よさに、より活動的な広さを兼ね備えたものと言えます。また、玄関で靴を脱ぐ習慣のある私たち日本人にとって、デッキや縁側は身近に自然と触れ合える大切な場所でもあります。デッキを「思わず出たくなる場所」にするために、まずはしっかりとプランを立てましょう。その際のポイントをまとめました。

  • 1 室内や庭とのつながりを考える
    デッキは、リビングやダイニングに「後付け」するのではなく、家全体のプランに最初から組み込むようにし、庭とのつながりも考えます。室内・デッキ・庭をひとつながりのものとして捉えるようにしましょう。
  • 2 デッキは「仮設」と心得る
    紫外線や風雨にさらされるデッキは、家本体よりも早く傷み、いずれは張り替えが必要になります。また、子どもが小さいときと夫婦2人になったときとでは、デッキの形も違ってくるかもしれません。デッキはあくまで「仮設」と理解し、デッキ材の固定には釘ではなく取り外しが楽なビスを用い、仕口(接合部)もがっしり組むよりはラフに組んでおくことで、張り替えしやすく水も溜まりにくくなります。
  • 3 屋根はかけず「濡れ縁」の風情を楽しむ
    きちんと屋根をかけるのではなく、軒を深く出したりパーゴラをかける程度にすることで、半戸外空間を楽しみましょう。濡れ縁に親しんできた日本人にとって、雨にしっとり濡れたデッキの眺めは感性に響きます。
  • 4 周囲は雑木の庭にする
    夏はカンカン照りにならないよう、デッキに木陰をつくってくれる植栽が必要です。落葉広葉樹を中心とした雑木を選べば、夏は木陰を、冬は日射しを楽しむことができる上、手入れも楽でしょう。2階にデッキを設ける場合は、2階でも枝振りが楽しめる背の高い樹木を選びたいものです。
  • 5 手すりはつけず、座れる場所をつくる
    2階のデッキでは手すりは必須ですが、1階であれば、庭と行き来しやすいよう手すりなどは不要です。また、数人が腰掛けられるベンチ(高さ30~35センチ)や、ちょっとした段差を設けておけば、わざわざ室内からイスを持ち出さなくても気軽に座ることができます。
  • 6 眺めて美しく、足裏に心地よい材を選ぶ
    デッキは室内からの風景として、眺めていて気持ちのよい木材でつくりたいもの。塗装するにしても、木目を殺さない程度の濃さの塗料を選びましょう。また、素足に心地よい材であることも重要です。

左/ウッドデッキに出て心地よい風と木漏れ日を楽しむ。上/室内とデッキと庭をひとつながりに捉えてプランを立てることが重要。(写真3点とも奈良県・一見邸)