まるで図書館のよう大きな本棚のある住まい

神奈川県 注文住宅 加賀妻工務店
神奈川県

まるで図書館のよう
大きな本棚のある住まい

息子たちが独立し、借りていた家が広く感じられるようになった夫婦。
縁あっていい土地が見つかり、二人暮らしに合う新居をつくった。
テーマは奥さんの提案した「ちょっとワクワク感のあるオシャレな家」だ。

神奈川県中郡 注文住宅 ㈱加賀妻工務店 K邸
設計・施工=㈱加賀妻工務店 写真=山田新治郎 文=石川祐子

大邸宅も多い神奈川県大磯町にあるK邸は、夫婦の「控えめに」との望みどおりシンプルな外観。現代の庵といった風情だ。扉の向こうには玄関と土間収納の仕切りを兼ねた飾り棚があり、貝殻や小石など夫婦の旅の思い出の品が出迎えてくれる。

ほのぼのとした気分でリビングに入ると、今度は驚きが待っていた。大きな本棚の壁が吹き抜けの2階天井まで届き、鉄骨階段がそれに寄り添うように上っていくのだ。そして本棚で仕切られた奥は、1階が奥さん、2階がご主人の書斎。

本好きにはまさにワクワクもののこの空間をデザインしたのは、K邸を手がけた加賀妻工務店の設計担当、髙橋一総さんだ。本棚をたくさん欲しい、個々の書斎も必要と夫婦から要望があり、「それらの要望を組み合わせ、使いやすさを考慮するうち、自分の中で自然とこのイメージが立ち上がってきました」と髙橋さんは話す。奥さんも「ヨーロッパの大学の図書館ってこんなつくりですよね。カッコいいなと憧れていたので、我が家で実現したなんて、でかしたゾ、髙橋さんって感じ(笑)」と目を輝かせる。

工務店のセンスも大事

加賀妻工務店を選んだのは奥さんだ。それまでも家族はずっと大磯で借家住まい。そして息子さんの中学校のPTAとしてシック・スクールについて調べていたときに、茅个崎市の同社がシックハウス診断士の資格を有しているのを知った。以来何となく気になっており、新築が決まるとすぐに同社のことを思い浮かべたという。

その後、妹尾喜浩社長と会った際に「自然に還る素材だけを使い、職人がていねいに建てる」という家づくりの思想を熱く語るのを聞き、「3・11と原発事故以後、自然の営みに沿う暮らしをしたいと思っていたので、改めてとても共感しました」と奥さん。完成住宅見学会などを通して施工力にも納得した。ちなみに同社ではすべて自社大工で若い世代の育成にも力を入れている。

唯一の気がかりがセンスだった。奥さんは雑誌の編集者だった経験から、同じテーマでもセンスが違えば別物になってしまうのを心配したのだ。が、髙橋さんと話すうちに、建築やデザインについての建主の好みをよく理解してくれることがわかった。そこで「ワクワク感のある家」を依頼すると、憧れの図書館風プランが出てきたわけだ。このプランは緻密な設計と職人技の賜物。特に鉄骨階段の施工は難しく、髙橋さんが鉄骨屋や大工と現場で何度も確認して作業を進めていった。奥さんはこの空間を「ちょっと非日常的でワクワク感があり、しかも実用的」とご満悦。ご主人は眼を細め「本棚は妻の好み(笑)。僕自身は、家の中のどこにいても居心地いい。それがうれしいですね」。

 

神奈川県 注文住宅 加賀妻工務店

 

所在地 神奈川県中郡大磯町
家族構成 夫婦
面積 敷地 112.50m²
延床 112.20m²(1階 62.93㎡ 2階49.27㎡)
竣工 2013年9月(工期 2013年3月~9月)
設計・施工 ㈱加賀妻工務店
(設計/高橋一総、高宮秀和 現場監督/岩本竜一)
構造形式 木造在来軸組工法
主な外部仕上げ 屋根=ガルバリウム鋼板瓦棒葺き
外壁=杉板張り
軒天=不燃ボード+塗装仕上げ
主な内部仕上げ 天井=シナ張り
壁=珪藻土鏝仕上げ
床=杉(厚30mm)

 

チルチンびと79号掲載|電子書籍でご覧いただけます。

 

株式会社加賀妻工務店
〒253-0085 神奈川県茅ヶ崎市矢畑1395
 
加賀妻工務店では創業当時から卓越した技術の自社大工・家具職人を現在19名の職人を抱えています。
工事受注後は、決して下請けに出すことはありません。
イ・ロ・ハ・ニ・ホ・ヘの6組の棟梁が、匠の技と匠の心で現場を受け持ちます。
「私たち工務店は住宅の町医者である。」という考えのもとに、
自分たちが建てた家は責任を持ってお付き合いをさせていただいております。

 

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