自然素材を生かし 職人の手仕事が宿る家

自然素材を生かし 職人の手仕事が宿る家
関東

自然素材を生かし
職人の手仕事が宿る家

大工の技術力を培ってきた地域工務店が、
子育て世代向けの工夫をちりばめた住宅を、建築家とつくりあげた。
樹齢200年の杉材や漆喰、珪藻土など、素材の手触りが宿る住まいだ。

茨城県笠間市 福田建設 モデルハウス「星山の家」
設計=住まい塾 施工=㈲福田建設 写真=川辺明伸

腕利き大工と建築家がつくる
端正な住まい

点在する笠間焼の窯元を抜けて、辿りついた先に見えたのは堂々とした佇まいの1軒の家。深い軒に誘われるようにアプローチを進むと、山の草花が迎えてくれる。手仕事の跡が残る鉄のドアノブを開けて中に入ると、木の香りが漂ってくる。

その先に続くのは広々したリビング。開口部をすべて開け放つと遠くの清々しい山並みが見える。障子を閉めれば一転、静かな時間が流れる。リビングの奥には小上がりの和室が続き、低めの天井と表情豊かな土壁とが相まって、心地よいこもり感に包まれる。

この家を手がけたのは、茨城の地域工務店・福田建設。2017年2月に竣工、現在展示中である。近隣の地名をとって「星山の家」と名づけた。「木に触れる仕事が好き」と笑うのは、福田定利社長。生まれも育ちも笠間市で、上京し文化庁の仕事に携わる大工のもとで修業、その後地元に戻って独立して今年で40年になる。スタッフだけでなくお客さん、小さなお子さんからも親しみを込めて“親方”と呼ばれる。

日本の伝統的な技術を頑固に守りつつ、設計は暮らしやすさに主眼を置く地元の建築家に任せるのが同社の家づくりのスタイルだ。今回設計したのは「住まい塾」の高橋修一さん・岡田曜子さんで、福田社長からは「子育て世代のために新しい住まいを提案したい」と依頼を受けた。

岡田さんは「設計の鍵になったのは南面の山並みを取り入れることでした」と振り返る。風景を楽しみながら、人数を気にせず車座になって集まれるようにと、リビングはゆったりとした設計にした。

1階の間取りはワンルーム的だが、段差でメリハリをつけている。和室は気持ちの切り替えになるようリビングより1段上げ、その一方でキッチンは下げている。リビングで遊ぶ小さな子どもと目線が合いやすいことだろう。クリのダイニングテーブルは造り付けで、この段差を利用して座ることができる。家具を入れなくても生活が始められることもコンセプトの一つだ。

展示のかたわら、ここでお茶会を開いてみんなで楽しめたらと話す福田社長。手仕事が宿る家から、豊かな暮らしが広がる予感がした。

 

 

所在地 茨城県笠間市大田町229-1
面積 敷地 829.62㎡
延床 161.56㎡(1階108.57㎡ 2階52.99㎡)
設計 住まい塾 高橋修一(設計助手:岡田曜子)
施工 有限会社福田建設(現場監督:福田定利)
構造形式 木造在来工法
主な外部仕上げ 屋根=ガルバリウム鋼板
軒天井=杉羽目板
外壁=モルタル下地の上ジョリパット仕上げ
主な内部仕上げ 天井=漆喰、杉板
壁=漆喰、板
床=ナラ

 

チルチンびと 92号掲載|電子書籍でご覧いただけます
 
 

有限会社 福田建設
〒309-1623 茨城県笠間市上加賀田1515
 
福田建設は大工の見習いから始めた親方が「大工たるモノこういうモノ」という
いわば「大工の美学」で育てた大工と、同じ「美学」を共有する大工で構成しています。
木造在来伝統工法を用いた大工集団の工務店です。
伝統的な和風建築から、モダンな現代和風を得意としています。

 

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