和モダンの空間に映える薪ストーブの炎

和モダンの空間に映える 薪ストーブの炎
関東

和モダンの空間に映える
薪ストーブの炎

自然素材への徹底したこだわりや和の意匠が醸し出す、
落ち着いた佇まい。松浪建設が提案する上質な空間の主役は、
家族を暖かく照らす薪ストーブだ。

群馬県太田市 松浪建設 モデルハウス
設計・施工=松浪建設株式会社 写真=輿水 進 文=上野裕子

空っ風にも負けない
薪ストーブのぬくもり

「たとえ棟数は少なくとも、自信を持っていい家だと誇れる家を建てたいのです」。松浪建設社長の松浪正博氏は、家づくりへの熱い思いを語る。その言葉どおり、同社の建てる家の特徴は、産地の明らかな国産の無垢材のみを使い、大工や職人が1棟1棟ていねいにつくることにある。

こうした松浪建設の家づくりを体現しているのが、本社ビルの隣に建つモデルハウスだ。玄関から室内に入ると、リビングを中心に食堂とダイニングが一体となった大らかな空間に迎えられる。リビングと隣接する和室は、鮮やかなベンガラ色の襖を開ければ、こちらもまた連続した空間として使うことができる。さらに吹き抜けを介して2階ともつながっており、家中がひとつながりになるよう設計されているのだ。

ひとつながりの家の中心となるのが、リビングに設置された薪ストーブだ。同社では、先代のモデルハウスにも薪ストーブを設置するなど、ブームになる以前から薪ストーブのよさに注目してきたという。

その背景には、太田市の気候風土がある。太田市は積雪こそほとんどないものの、冬になると「上州の空っ風」とも「赤城おろし」とも呼ばれる寒風が吹くため、体感温度はかなり低くなるのだ。けれどもこのモデルハウスでは、真冬でも薪ストーブ1台で家中が十分に暖かい。「吹き抜けによって空気が循環するので、家中に薪ストーブの暖気がめぐります」(松浪社長)。

一方で、夏の太田市は内陸都市特有の厳しい暑さとなる。けれども、このモデルハウスでは吹き抜けの効果に加えて漆喰壁が湿気を吸ってくれるため、涼しく過ごすことができるという。「吹き抜けを設けることで、空気の循環に加え、家族の気配を感じられますし、さらには意匠としても魅力的です。お客さまには、設計に入る前に、吹き抜けのメリットもお伝えするようにしています」。

素材、技、意匠の調和が
生み出す上質な空間

薪ストーブの魅力は、その温熱効果だけではない。「薪ストーブはエアコンに比べれば手間がかかりますが、それを超える豊かさを暮らしにもたらしてくれます」(松浪社長)。ポイントとなるのが設置する場所で、団らんの中心となるように、リビングに設置するのがおすすめとのこと。「冬の夜に家族や友人と薪ストーブを囲んでくつろぐのは、最高の贅沢だと思います。お子さんのいるご家庭では火について学ぶ機会にもなりますよ」。

さらに、薪ストーブは同社がこだわる自然素材を使った家づくりとの相性も抜群だ。前述のとおり、松浪建設では国産の無垢材のみを使うことをモットーとしており、モデルハウスの場合は、柱は檜、梁は杉、そして床には日光杉を使っている。これらの素材で腕をふるうのは、8名の専属大工だ。松浪社長は「最近は墨付けや刻みのできる大工が減っていますが、当社では創業以来、熟練の大工が家づくりをしています。そして、ゆとりをもった工期でていねいな仕事をすることを大切にしています」と話す。

さらに近年では、同社が得意としてきた伝統工法にモダンなデザインをとりいれることで、意匠面の魅力も増しつつある。開放感と和の端正な雰囲気が調和したモデルハウスがその代表例で、来場するお客さまの中には「こんな家を建てたい」と希望するケースも多いという。「多様化するデザインを支えるのは、やはり材料であり技だと考えています。ベースがしっかりしているからこそ、仕上げや収まりが美しく、心地よさを感じる空間が実現できるのです。これからもていねいな仕事をして、本当によい家をつくり続けていくのが目標です」と話す松浪社長。同社の上質な家づくりは、地域への豊かな暮らしの提案につながっている。

三重県太田市 松浪建設 モデルハウス 平面図

所在地 群馬県太田市新島町743-2
面積 敷地 330㎡
延床 147.74㎡(1階 83.15㎡ 2階 64.59㎡)
竣工 2015年11月(工期 2015年5月~2015年11月)
施工 松浪建設株式会社(現場監督:松浪正博)
構造形式 木造在来工法
主な外部仕上げ 屋根=ガルバリウム鋼板
軒天井=杉板現し
外壁=ALC 37㎜
主な内部仕上げ 天井=杉板 12㎜および珪藻土
壁=珪藻土
床=杉板 20㎜

薪ストーブ年鑑2017掲載|電子書籍でご覧いただけます

松浪建設株式会社
〒373-0819 群馬県太田市新島町744
 
「木造住宅ではこだわりの檜の無垢材を用い、伝統的な建築を今の時代に生かすことを主眼に設計しています。
しっかりとした構造で、将来に渡っての修理やメンテナンスを減らす家づくりの工夫をいたしております。
理想のためには一切の妥協をしない。そんな家づくりをプロデュースしております。

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