育てる喜びが続く 畑のある住まい

石川県能美市 注文住宅 さとやま工房 さとやま設計社
石川県

育てる喜びが続く
畑のある住まい

野菜づくりにDIYと、夫婦揃って手を動かすことが好きな稲井さん。
田畑が広がるのどかな土地で、一家3人のびのびと時間を過ごしている。
太陽と緑の恵みを享受する暮らしがスタートした。

石川県能美市 注文住宅 さとやま工房 さとやま設計社 稲井邸
設計・施工=さとやま工房 ㈱さとやま設計社 写真=西川公朗

美しい色彩が目を引く九谷焼。能美市は、その全生産量の8割を生み出す工芸のまちだ。そんな能美市の一角にある、田畑に囲まれた緑豊かな住宅街を訪ねた。通り沿いに並ぶ薪棚の向こうに、広い空を背景にして、稲井さんの家が佇んでいる。

「朝起きたらカーテンを開けて、まず庭を眺めるんです。今日はどれが食べ頃かなと」。子どもの頃から畑のある暮らしに憧れていたという奥さん。ブロッコリーやカブなど、四季折々の作物を年間20種類ほど育てている。畑は息子さんの遊び場でもある。青々と茂る冬野菜の根元を覗き込んだり、大人の真似をしてジョウロを運んだり。小さな足取りを夫婦が温かく見守る。

畑仕事を終えてリビングに入ると、迎えてくれるのは赤々と燃える薪ストーブの炎。白くすっきりとした室内には、そこここにご主人お手製の家具があり、奥さんがつくった小物がしつらえられている。現在、育休中の奥さんは一日の多くを自宅で過ごしているが、外とのつながりがあるので窮屈な気持ちにならないそう。「初夏になると、窓を開けたら見渡す限り水田が広がって、家の中を風が吹きわたっていくんです」と奥さん。南には畑、北は一面に広がる田園という景色を何より気に入っているそうだ。

自然の力を借り、
手を動かす暮らし

工務店を決めようとしていた4年ほど前、偶然通りかかった建物に目が奪われた。能美市に拠点を置く工務店・さとやま工房のモデルハウスだった。小高い丘の上のひっそりとした佇まい、中に入って包まれる木のぬくもり。気取らずざっくばらんな雰囲気が、求めていたイメージどおりだった。

里山は人を癒す力があるという岩井庸之介社長の考えのもと、田舎暮らしを土地探しから応援している同社。夫婦の希望をふまえ、緑豊かなこの地をすすめた。小松空港と金沢駅の間にある能美市は、子育て支援や移住者の受け入れにも力を入れている。

南北に細長い敷地のため、畑に日が当たるよう建物は北側に。間取りは夫婦が考えた案を岩井社長がさらにプロとしてアレンジした。廊下をなくしたことで、コンパクトながら室内は広々。片流れの屋根には太陽光パネルを搭載した。「北陸は日照時間が少ないように思われますが、年間を通じると東京と効率は変わらないんですよ」と岩井社長。

いつかご主人がブドウ棚をつくり、奥さんが育てたいと夢が膨らむ。「庭も家も、少しずつ理想に向かって手を加えていくのが楽しみです」と奥さんが声をはずませた。

 

石川県能美市 注文住宅 さとやま工房 さとやま設計社 平面図

 

所在地 石川県能美市
敷地面積 304.74㎡
延床面積 118.43㎡(1階 62.79㎡ 2階 55.64㎡)
竣工 2013年8月(工期 2013年3月~8月)
設計・施工 さとやま工房 ㈱さとやま設計社
構造形式 木造在来工法
主な外部仕上げ 屋根=ガルバリウム立平葺き(10kw 太陽光パネル載せ)
軒天井=珪酸カルシウム板に塗装仕上げ
外壁=ガルバリウム鋼板
主な内部仕上げ 天井=シナ材
壁=珪藻土
床=杉板厚20mm、カバザクラフローリング

 

チルチンびと 91号掲載電子書籍でご覧いただけます

 

さとやま工房 株式会社 さとやま設計社
〒923-1221 石川県能美市湯屋町へ116番地
 
自然素材の使用を前提とした「柔らかく温かい建築」を目指します。
高価な無垢材はどうしても手加工が多くなりますが、
高品質を維持し、地元県産材を使いながら、有害物質を限りなく発せず、
子育て世代が快適で健康な生活を送っていただくことを第一義としています。

 

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