里山の懐に抱かれて暖かさが隅々まで満ちる家

群馬県吾妻郡 注文住宅 ㈱オオガネホーム
群馬県

里山の懐に抱かれて
暖かさが隅々まで満ちる家

クッキーを焼いたり、
薪ストーブのそばで自家製の沢庵をつまんだり。
日常のそんなひとコマひとコマが、生き生きとして見えるT邸。
住まい手としっくりなじむ家は、暮らしをより楽しくしてくれる。

群馬県吾妻郡 注文住宅 オオガネホーム T邸
設計・施工=㈱オオガネホーム 写真=輿水 進 文=石川祐子

生活しながら
命の洗濯

外は雪景色。が、それを完璧に忘れてしまうほどT邸は暖かい。家のどこにいても、温度差があまりないのもいい。「薪ストーブだけで足りるかしらと心配したんですが、全然平気。冷え性なのに、最近はタートルネックを着なくなりました」と奥さま。

T邸では壁・床・屋根に羊毛断熱材、窓に木製ペアガラスサッシを使い、床下には調湿効果の高い炭を敷き詰めているので、それらの相乗効果もあるだろう。奥さまは「夏は逆に室内のほうが外より涼しいですよ」と話す。

ちなみに薪ストーブは奥さまの要望。ご主人のリクエストは和室で、杉無垢板の天井を指さして、「これはオオガネさんの建てた住宅で見て気に入った仕様。ウチでもお願いしました」と満足げだ。

オオガネさんとは同邸を手掛けたオオガネホームのこと。14年前、夫婦で同社の完成住宅を見に出かけたときに、奥さまが一目惚れしてしまったという。5年ほど前、家を建てることになり、その〝恋〞が実ったわけだが、ご主人も「直感的に合うと感じました」と話す。新居も「こんなに自分たちに合う家ってあるのかと思うぐらい、住みやすいですよ」

住みやすさは綿密な打ち合わせの賜物と推察したのだが、「あまりしてないんですよ。なのに、トントン拍子でプランができちゃって」と奥さまが答えた。

その理由を同社の大金泉社長はこう話す。家づくりとは、住まい手が本当に求める暮らしを提供すること。だから「打ち合わせ以前の気軽な世間話の段階で、本人たちが気づいていない要望や言葉にならないニュアンスを読み取っていくのが自分の仕事」だと。

T邸の場合は夫婦が最初から心を開いてくれたので、求める家が早いうちから見えてきたという。奥さまは可愛い家を、ご主人は安定感のある家を望んでいると感じたそうだ。また、当時のご主人は仕事で帰宅が遅い毎日。奥さまも忙しい日々を送っていた。そこで大金社長は、「休日に思いきりくつろいで、疲れを癒せる家」をコンセプトに、二人の好みを取り入れながら、薪ストーブを中心に据えた大らかな住空間を提案したのだという。そのプランは夫婦が漠然と抱いていたイメージに、「ピタッと来た」そうだ。

現場で一緒に
つくっていく

住まい手に合う家のイメージを考えるのは大金社長の担当だが、形にするのは弟で専務の務つとむさんだ。T邸では夫婦の要望を聞いて設計に反映させたり、造り付け家具のサイズや使い勝手を一緒に検討したり、鴨居や棚のラインを揃えるなどして見た目の良さを追求する。

「そういえば、リビングの壁収納は専務さんのアイデアでしたよね」と奥さま。

「いや、大工棟梁の案ですよ。予定では壁の下半分だったんで、上までつくっちゃえばってすすめたのがワタシ(笑)」と務さん。思い出話がはずむ。そして、奥さまは「大工さんが親切で、建てているときに棚や収納などをたくさん提案してくれたんですよ」と当時を振り返る。

ところで、現場でのそうした臨機応変は、同社では普通だ。お施主さんにも現場で要望を出してもらう。現場に立てば使い勝手などを想像して具体的な要望を出せる。その結果、お施主さんがより住みやすい家になると考えるからだ。「うちの大工はみんな凝り性なんで、お施主さんに相談されると張り切りますよ」と大金社長。

約3年住んでみて、夫婦にはうれしい発見があった。その一つは、キッチンの使い良さ。特に、同社に造り付けてもらったシンクや調理台は「下の部分に扉がないので汚れを心配していたんですよ。ところが掃除がしやすくて、思いのほか便利でしたね」とは、意外にもご主人の感想だ。

「それに、知らないうちに省エネしていたんですね」とも。吹き抜けは夫婦が家づくりの最初から望んでいたものだが、この吹き抜けや開放的な間取りのおかげで空間がつながり、冬は薪ストーブ1台、夏はエアコン1基で家中の冷暖房が足りるそうだ。

群馬県吾妻郡 注文住宅 オオガネホーム 平面図

所在地 群馬県吾妻郡
家族構成 夫婦+子ども2人
延床面積 129.80㎡(1階 82.80㎡ 2階 47.00㎡)
竣工 2008年5月(工期 2007年10月~2008年5月)
設計・施工 ㈱オオガネホーム
構造形式 木造在来軸組工法
主な外部仕上げ 屋根=ガルバリウム鋼板
軒天井=杉板張り
外壁=杉板張り・ハイスタッコ塗り
主な内部仕上げ 天井=パイン板
壁=腰板パイン板、漆喰
床=檜板

チルチンびと別冊36号掲載|電子書籍でご覧いただけます

株式会社 オオガネホーム
〒378-0018 群馬県沼田市鍛冶町947

長年培ってきた木材業の経験や実績、知識や知恵を建築に生かした
当社オリジナルの自然素材の家「百年躯体」の家づくりをメインに
お住まいになられるご家族様の、こころ豊かで健康的な生活を応援する家を建てて参りました。
一生に幾度とない家づくりをお客様のお気持ちに寄り添い、一生懸命にサポートさせて頂きます。

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。

Optionally add an image (JPEG only)