富士山と田園の眺めを満喫

神奈川県小田原市 注文住宅 加賀妻工務店
神奈川県

富士山と田園の眺めを満喫

神奈川県茅ケ崎市に本社を構える加賀妻工務店。
設計力・監督力・職人力を合わせ「湘南一のアーキテクトビルダー」をめざす、
高橋一総社長が手がけた住宅事例を紹介する。

神奈川県小田原市 注文住宅 加賀妻工務店 S邸
設計・施工=㈱加賀妻工務店 写真=畑 拓

経営、そして新築部門の設計で力を発揮するのは、高橋一総社長だ。設計事務所に勤めていた2004年から、加賀妻工務店の施工で多くの住宅をつくってきた。2008年に同社へ転籍。バランスのとれた思考力と温厚な人柄で社内の人望が厚く、また「加賀妻のセンスとは正反対」だというデザイン力で顧客ニーズを叶えてきたことが評価され、5年前に先代社長と加賀妻会長の推薦で、現職に就任した。

設計力・監督力・職人力を合わせ「湘南一のアーキテクトビルダー」をめざす、高橋社長の仕事を紹介する。

風景の中に
ゆったりと住む

もともと職場のある東京で暮らしていたSさん夫妻は、ゆったりと自然に寄り添う生活を求めていた。自然豊かなことに加え、奥さんの実家に近く、二人の勤め先まで新幹線で通勤できることから、小田原の田園地区での家づくりを考えたのだと振り返る。まず地域の住み心地を確認するため、小田原に転居。しばらく過ごした後、地域に精通した工務店を探しはじめた。雑誌で加賀妻工務店を知り、住宅内覧会に参加すると、無垢の木の心地よさに魅せられ、同社との家づくりを決意したのだという。

計画は土地探しからスタート。眺望がよく広々とした土地に、できれば平屋の家を。さらに薪ストーブがあり、ストーブの周辺や水まわりは清掃がしやすいタイル床であることなど、その他の要望も細かに相談。イメージを汲み、敷地の形状や予算を考慮した高橋社長の助言から、この敷地を選び出した。

要望を
美しく快適に具現化

完成したのは、小田原の田園風景から遠くそびえる富士山までも一望できる絶景の住まい。敷地の中央の2階建ての棟には、1階にLDK、上階にスタディコーナーと将来の子ども室が。その棟をコの字に囲む平屋建てのエリアに、玄関と収納、浴室、寝室を配した。建築面積の都合で総平屋は叶わなかったが、2階をコンパクトにまとめ、リビング・ダイニングの上部を吹き抜けとし、大屋根を架けることで、平屋さながらの居心地を生み出している。

設計のポイントについて、高橋社長は「南西の眺望を最大限に生かす、大きな開口を配しました。強い西日を遮るために、開口側の屋根を深く下げてしつらえています。また、オープンな空間を望まれたので、LDKと2階は間仕切りのない設計としました」と話す。開放的な間取りだが、いずれ個室が必要になった時には、2階の東側のスペースに差鴨居を通して間仕切ることも考えていると、説明。さらに、水平梁を見せないデザインは山辺構造設計事務所の監修で、造園はNAYA設計室との協働で実現したのだという。「設計と構造、造園がうまくいった」と胸を張る。

こだわりは細部にも息づいている。「開口の建具の納まりには、苦労しましたが、職人と相談しながらかたちにしました。開口上部に間接照明を載せるために張り出した鴨居や無垢の杉張りの天井、壁のフラットな珪藻土仕上げも……私の設計は複雑なので、施工も大変だと思うのですが、職人がうまく完成してくれました」。「いい家をつくるのに譲れない要素は、やはりデザインです。そして、間取り。自由設計であっても、そこは妥協せずにいきたいと考えています」と、笑みを見せた。

在宅勤務でものびのびと

夫妻に実際に住んでみての感想をうかがうと、「イメージ通り、大満足」だと声を揃える。「住宅内覧会で見た家からも、イメージを膨らませました。話しやすい雰囲気で、対応も柔軟。希望をよく咀嚼してもらえたことがありがたかったです」(奥さん)。

思いがけず、コロナ禍の最中の引っ越しとなったが、この住まいのおかげでのびのびと過ごせているのだという。「在宅勤務となり、年間でいちばんいた場所はスタディコーナーでした。オープンで外の景色が見え、息が詰まることがなかったです」と二人。

奥さんのお気に入りの場所は、台所だ。「小上がりのリビングと視線の高さが合うように希望したのですが、田んぼと山々の景色までちょうど綺麗に見えるデザインになり、嬉しいです」。また、「大きなステンレスキッチンで二人並んで料理することも楽しんでいます」と微笑む。一方、ご主人は念願の薪ストーブや庭仕事を満喫しているという。「休日は、冬は薪探し、夏は庭の芝やミニ菜園の手入れに精を出しています」。

信頼できる地域工務店と理想の家をつくり上げた夫妻。今後コロナ禍が収束した時には、友人を招いたバーベキューなども楽しみたいと、目を輝かせた。

 

神奈川県小田原市 注文住宅 加賀妻工務店

 

所在地 神奈川県小田原市
家族構成 夫婦
面積 敷地 300.45m²
延床 111.37m²(1階83.22㎡ 2階28.15㎡)
竣工 2020年2月(工期2019年7月~2020年2月)
設計・施工 ㈱加賀妻工務店
構造形式 木造軸組工法
主な外部仕上げ 屋根=ガルバリウム鋼板
軒天井=セメント板+塗装
外壁=モルタル左官仕上げ
主な内部仕上げ 天井=杉板張り(山長商店)
壁=珪藻土(日本エムテクス)
床=杉無垢厚30mm(益子林業)、タイル

 

チルチンびと108号掲載|電子書籍でご覧いただけます。

 

㈱加賀妻工務店
〒253-0085 神奈川県茅ヶ崎市矢畑1395
 
加賀妻工務店では創業当時から卓越した技術の自社大工・家具職人を現在19名の職人を抱えています。
工事受注後は、決して下請けに出すことはありません。
イ・ロ・ハ・ニ・ホ・ヘの6組の棟梁が、匠の技と匠の心で現場を受け持ちます。
「私たち工務店は住宅の町医者である。」という考えのもとに、
自分たちが建てた家は責任を持ってお付き合いをさせていただいております。

 

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