URA 地域主義建築家連合

和室の「真行草」の区別ができますか?

処暑・天地始粛

玄関を和風にしたいという改修工事の設計依頼がありました。

2階には二間続きのきちんとしたお座敷があります。
そこは「真行草」で言うと、「真」の意匠でした。
そこで玄関は「行」の意匠で整えようと決め、設計を進めました。

もともと赤い御影石の装飾台があったので、床の間に見立てることにしました。
落とし掛けを作り、床の間をくぐってリビングへ向かう動線としました。
天井は竿縁天井、壁は土壁風としました。

私は普段から「真行草」の設えを意識して畳の部屋を設計しますが、そのほとんどが「草」です。
基本をおさえたスッキリ和室、大工さんからはつまらない、と言われたりしています。

 

K邸(東京都)
設計:木下治仁建築設計事務所
施工:石間工務店
撮影:畑拓