縁を切らせて頂きます

立秋・涼風至
人間関係で「縁を切る」と言うと、あまり良い意味の言葉ではありません。
では、建築では?
違う部材や素材の関係を上手に「納める」手法の一つです。
ランドスケープデザイナー※の小林賢二さんの仕事は、アプローチの切石と土留めの自然石を上手く納めていました。
高崎にある小林建設さんの展示場「ギャラリーhinosumika」で見つけました。

普通なら、アプローチまで同じ石を積んで終わりにしそうなもの。
これでは上手く納めたとは言えません。
留まりに角のある石を選んで配置し、その控え※でまた石を積んで土留めを作り、アプローチと縁を切っています。
しかも、そこに出来た隙間を利用してナンテンの木の居場所まで作っています。

良い仕事を見つけてしまうと、嬉しくなり、誰かに伝えたくなります。

アプローチと縁

※ランドスケープデザイン:庭の設計だけでなく、建物との関係もデザインすること。
※控え:石垣において積石の奥行