小さなルール

水栓のレバーを下に押すと蛇口から水が出る。あたりまえのことだが直感的でわかりやすい。が、水栓のレバーを下げると水が出るのは、実は古い家だけだ。

阪神淡路大震災のとき、水栓にものが落ちてきて水道が出放しになって大問題になった。その教訓から、レバーを下げると「出る」から下げると「止まる」にルールが変更された。直感的には逆なので、初めは戸惑ったが最近やっと慣れてきた。

空がもし真っ赤だったら危険信号は青になっていただろう、などと二十歳の頃に考えた。
自然界や身の回りには赤いものが滅多にないから、赤提灯や消防車が目立つ。したがって「止まれ」の信号は「赤」でしかあり得ない。

ルールはやはり直感的であるに越したことはない。

小さなルール