雑誌「チルチンびと」64号掲載 栃木県 ㈲響屋  
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山野草と美しい敷き石が印象的な小径を抜けて玄関扉を開けると、大きくて抜けのよい板の間がある。隣には畳敷きの小上がりがあり、広々とした土間リビングへと続く。小上がりの正面には、奥さまがひと目ぼれしたという堂々たる風格の薪ストーブが置かれている。炎の暖かさに包まれた土間で、庭の草花や夜空を眺めながらの一杯。ここは、訪れる人につい長居をさせてしまう、居心地の良さに満ちている。 「こうやって火を眺めていると、子どもの頃を思い出します。夕方庭先に家族みんなが集まって焚き火をするのが、1日が終わる合図だったよね」と薪ストーブの火を見つめながら語る奥さまのかたわらで「うん、うん」とうなずくご主人。「私と主人は『動』と『静』みたいな正反対の性格だけれど、育った環境や価値観がとても似ていたのね。それでもこの家を建てるまで、これほど趣味が同じだとは気づきませんでした」と奥さまが笑うと、無口なご主人も照れたような顔で静かに微笑む。  これまで毎日24時間気が抜けない自営業を続けてきたCさん夫婦。子育てもそろそろひと段落し、週末は

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