雑誌「チルチンびと」 74号掲載 人を生かし風土を生かす家づくり 栃木編 「新しい 地縁の創造 価値観がつなぐ ユカリノミチシルベ」
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「チルチンびと広場」で紹介してい る m-idoの代表、万年園子さんは 「『チルチンびと広場』は、大メデ ィアが取り上げない地域の小さな お店やイベントを紹介したいと立 ち上げました。小さなお店に足を 運ぶことで、ネットのつながりが リアルな出会いになることをめざ しています。『ユカリノミチシル ベ』は、まさにその考えが具現化 されたようで嬉しい」と話す。2 011年4月にオープンし、現在 年間 50 万を超えるアクセスがあり、 1500余りの店を紹介している 「チルチンびと広場」だが、埼玉で も掲載店同士が集まってイベント を行う計画があるそうだ。  「私たちの時代は、血〝縁.とか 地〝縁.だとか、地域で仕事をす る上で大切にしてきたことがある けれど、住まい手の価値観の〝縁. というのも大事だね」と話すのは、 イケダの池田光一社長。賑わうイ ベントの様子を見守りながら、そ こに新しい地域工務店の姿を見て いる。「ユカリノミチシルベ」は今 後、ライブイベントなどの試みも 取り入れ、定期的に開催する予定 だと髙山さん。「何かあったらあ の店で、困ったことはこの店に。 このコミュニティがあれば暮らし のすべてが見られるようにしたい ですね」。 右/自邸の縁側に座るNさん一家。アンティークが好きで古民家の改修を望 んだ。 左上/薪ストーブのあるリビングから、キッチンを見通す。時代を刻 んだ構造材が現しに。 左中2点/室内にアンティーク雑貨や、地元作家の器 などがしつらえられている。 左下/一室は「アイアンガーヨガ」をやってい る奥さんの部屋。ロープを使ってのストレッチができるようになっている。 集めるのが目的ではないんです。 やりたいのは、人と人の縁をつな ぐこと」。「 mikumari」のオーナー シェフ・髙橋尚邦さんも「僕が自 分の店でやっていることは、料理 を通じて『この器はどこで買える のだろう』と暮らし全般への興味 を持ってもらうこと。髙山くんか らこのイベントの話を聞いた時、 その価値観に共感しました」と話 す。自分たちが住む前に、家をイ ベント会場として提供したNさん。 「イケダで家を建てたのは〝空気. に惹かれたからです。自然素材で とっても気持ちいい呼吸ができる というだけじゃなく、家を形にし てくれた皆さんがまとう雰囲気が 心地よかった」と奥さん。新しい キッチンはイベントで使えば傷つ くかもしれないが、「それでもい い。それだけの価値があると思っ た」とご主人は振り返る。  だからこそ、たくさんの人に来 てもらいたいと髙山さんは考える。 参加するお店がイベントで正しく 収益を上げ、出品した地元作家が 作品を買ってもらえる場所になり、 来場者は新しい出会いが得られる。 「それって地域経済を回すことに もつながる。それが地域の中でで きたら面白いじゃないですか」。 髙山さんを通じて今回の出店者と 出会い、地域情報Webサイト 188  

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