雑誌「チルチンびと」92号掲載 茨城県 ㈲福田建設
4/4

213家に任せるのが同社の家づくりのスタイルだ。今回設計したのは「住まい塾」の高橋修一さん・岡田曜子さんで、福田社長からは「子育て世代のために新しい住まいを提案したい」と依頼を受けた。 岡田さんは「設計の鍵になったのは南面の山並みを取り入れることでした」と振り返る。風景を楽しみながら、人数を気にせず車座になって集まれるようにと、リビングはゆったりとした設計にした。 1階の間取りはワンルーム的だが、段差でメリハリをつけている。和室は気持ちの切り替えになるようリビングより1段上げ、その一方でキッチンは下げている。リビングで遊ぶ小さな子どもと目線が合いやすいことだろう。クリのダイニングテーブルは造り付けで、この段差を利用して座ることができる。家具を入れなくても生活が始められることもコンセプトの一つだ。 展示のかたわら、ここでお茶会を開いてみんなで楽しめたらと話す福田社長。手仕事が宿る家から、豊かな暮らしが広がる予感がした。 伐採に墨付け。大工が一貫して行う家づくり 自社製材所をもつ福田建設。自分たちの手で伐採、製材そして墨付けまで一貫して行えるのが同社の強みだ。ストックされた良質な地場産材を加工するのは、腕利きの大工たち。右の写真は墨付けを行う武者裕治さんで、18歳で入社、経験を積み独立した大工として今も切磋琢磨している。4すっきりとした印象になるよう、天井と壁の境に隙間を開けた。 5玄関の框はクリを使用。 6さりげなく飾られた花入れもアインズの松岡さんによる作品。7軒が深く落ち着いた佇まいの外観。 8前列左から建築家の岡田さん、福田社長。後列左からスタッフの佐藤宏美さん、福田貴子さん、建築家の関根仁子さん。●所在地 茨城県笠間市大田町229-1●敷地面積 829.62㎡●延床面積 161.56㎡(1階108.57㎡ 2階52.99㎡)●竣工 2017年2月(工期2016年4月~12月)●設計 住まい塾 高橋修一(設計助手:岡田曜子)●施工 ㈲福田建設(現場監督:福田定利)☎0296-72-6239●構造形式 木造在来工法●主な外部仕上げ屋根=ガルバリウム鋼板軒天井=杉羽目板外壁=モルタル下地の上ジョリパット仕上げ●主な内部仕上げ 天井=漆喰、杉板壁=漆喰、板床=ナラ456781階2階「住まい塾」は積水ハウスの登録商標です。ただし、高橋修一氏は「住まい塾」という名称を昭和58年から使用しているため、その当時の使用限度において継続的使用権があります。リビング・ダイニング和室キッチン玄関子ども室寝室ホールウォークインクローゼット子ども室浴室取材・文=山下未紗福田建設 茨城県 星山の家

元のページ  ../index.html#4

このブックを見る