雑誌「チルチンびと」65号掲載 福島県 ㈱増子建築工業
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5ページ れど、かつてのように規格化されたデザインから解放された障子は、自由で現代的に取り入れられると泉さんは言う。「障子を通した光の美しさを、日本の住宅から追い出すのは惜しい。僕ら設計者が、積極的に障子を取り入れていかなければいけないね」 職人の手わざが 見える家 「泉さんの設計する家は、しっかりとした梁と柱がある。私のような大工が見て、『本物の家』だと思えるんです」と、増子建築工業の増子則雄社長は、泉さんに設計を依頼した理由を語る。家づくりにかかわって約50年。自社で大工17人を抱え、これまで850棟を超える家をつくってきた。木工を合わせて大工を意味する「杢(こだくみ)」の名を冠したこのモデルハウスには、増子社長の想いがこめられている。 「設計のコンセプトは、そんな『職人の手わざ』を見せることでした」と、泉さんの事務所出身で、設計をともに手掛けた伊藤誠康さん。県産材が織り成す力強い木組みを見せるため、天井は張らず、野地板の裏に置き垂木を設けて断熱材を入れ、暑さ

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