雑誌「チルチンびと」65号掲載 福島県 ㈱増子建築工業
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2ページ  福島県郡山市、桜の名所として知られる開成山公園の近くに建つ、増子建築工業の新しいモデルハウス。かなたには、県の象徴・磐梯山も見える。  玄関を開けるとまず目を引くのは、県産の杉の赤身だけを使った、華のある格子戸。その先は、薪ストーブが中央に鎮座する広間に通じる。そこから高い吹き抜けを見上げると、いちばん太いところで1尺8寸もあるという、立派な松の丸太梁に圧倒される。広間は和室やキッチン、2階とつながり、家全体が一体感のある間取りになっている。  モデルハウスの各所には、障子が取り入れられている。吹き抜けを意識して、縦のラインが強調された組子と、楮100%の紙を通して、室内にやさしい光が満ちる。 「日本建築の品格は、障子などの建具にあると僕は思う」。そう話すのはモデルハウスを設計した建築家・泉幸甫さん。和室には凛とした緊張感を、リビングには和やかさを、寝室には落ち着きを。泉さんがデザインした障子が、空間に品格を生み出している。  近年は障子のない住宅も多い。け

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