雑誌「チルチンびと」106号掲載 福島県 ㈱増子建築工業
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110福島県産の木材を生かす増子建築工業のこだわり 「木のことについては詳しいので、任せてください」と言う増子会長。同社では、福島県内の原木市場から仕入れた原木を自社で製材し、加工まで行っている。プレカットのほかにも、幅はぎ材の木材を接ぎ合わせる機械もあり、構造材から造作家具まで一貫して自社加工が可能だ。もともとピアノ上部の棚やキッチンの背面戸棚の制作は、他の会社に依頼しようと考えていたAさんだったが、増子会長に自社での制作を提案され、綿密な打ち合わせをしながらつくり上げていった。 大黒柱には檜、印象的な太鼓梁は地松、それ以外の柱梁は杉で構成されている。いずれも福島県内の山から切り出されたもの。5年前に竣工したというA邸だが、玄関を開けるとやわらかな木の香りが出迎える。 「杉材はにおいを吸収する効果があり、造り付けの戸棚やキッチン家具など台所まわりに使うと、油のにおいを吸収してくれます」(増子会長)。 若い頃から大工としてキャリアを積んだプロの目利きで、樹種の選定から木材を生かす場所まで考え抜かれた家づくりを行っている。1キッチンには大好きなワインとワイングラスを飾る。2・3トイレやキッチンの造作棚、扉などもすべて増子建築工業による自社加工。4ダイニング上部の吹き抜け。 52階に向かう階段。窓から光が差し込んでいる。6こだわりの薪ストーブ。灰を入れるバケツはインテリアに合わせてブリキ製のものを選んだ。造作家具も無垢の木を使い大工が手づくりする12

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