雑誌「チルチンびと」106号掲載 福島県 ㈱増子建築工業
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109をだんだん理解してくれました」と増子建築工業の増子則雄会長は振り返る。 薪ストーブがいちばんの希望だったAさんのために、薪ストーブに合わせて、無垢の木材や漆喰の壁などの自然素材をすすめていった増子会長。冬の厳しい寒さを乗り切るために住まいの中心に据えたのは、ダッチウエストの薪ストーブ。暖を採るだけでなく、ピザを焼いて家族で食べたり、灰は畑の肥料にしたりと、一家の暮らしに彩りを添えている。 Aさんからの設計時の要望は、子ども部屋を優先して確保することだった。増子会長は、家族が多いぶん収納も必要だと考え、ロフトに物入れを設計した。また、ダイニング上部に設けた吹き抜けにより、明るく開放的な空間を演出し、薪ストーブで暖められた空気を行き渡らせる。さらに2階にも暖かい空気が流れるように、ホールの煙突まわりは腰高までの手摺り壁とした。 リビング南面の窓から、以前は桜並木が見えたAさんの住まい。桜を見ながら夏には夕涼みをしたいという希望で、リビングに面したウッドデッキをゆったりとした広めの奥行きで設計した。秋には庭のコスモスが花を咲かせ、美しい花畑は家族の心の癒しとなっている。

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