雑誌「チルチンびと」87号掲載 福島県 ㈱増子建築工業
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140体制も万全だ。日本の風土が育んだ材を選ぶ確かな目をもち、その素材の良さを家に生かす人材の育成にも余念がない。 安田さんは施工の過程をこう振り返る。「気合いの入った若い大工さんたちで、熱心に毎日遅くまで仕事に励んでいた。その熱意にでなく、細かい造作にいたるまで、すべて無垢材を使用。「日本の家の要は建具」との考えから、障子や引戸などの建具には100年生の目の詰んだ杉材を惜しみなく使う。さらに建具製造機材を導入し、制作を手がけるのは建具職人の元に修業に出した自社大工と、供給とえ揺れても、材同士がかみ合って揺れを吸収する。それが昔ながらの木の家の良さなんだよ」(増子社長)。 同社では柱や梁など構造材だけと語るのは、増子建築工業の増子則雄社長。 これらの材は増子社長自ら山に足を運んで選び、自社で製材したもの。使い方も長年の経験に裏打ちされた目をもって〝適材適所〟の言葉そのままに、堅さと粘りのバランスを見ながら配する。「た2階には、小上がりになった板の間が。1階の床は檜を使っているのに対し、2階床は温かみのある杉。写真4点/リンゴ農家を営む安田さん。ダイニングには家族の笑い声が響き、リンゴの薫りが漂う。ダイニングと和室は高さを抑え、空間にバリエーションを出している。福島の住まい手に最高の家を届けたい
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