雑誌「チルチンびと」82号掲載 福島県 ㈱増子建築工業
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132 田邊さん一家が、この家を建てて6年。転勤で赴任した福島が気に入って、家を建てることを決意し、秋田に暮らす奥さんのご両親も呼びよせて、二世帯住宅を建てることに。各社のモデルハウスを訪れる中で、田邊さん夫妻もご両親もともに気に入ったのが、増子建築工業のモデルハウス「築」だった。ご主人は「何度か家族で行ったんですけれど、行くたびにいいなあと感じました。そのモデルハウスに薪ストーブがあって、我が家にも導入したいねということになったんです」と当時を振り返る。奥さんも「それまで住んでいたアパートは、高断熱というふれこみだったのに、とにかく冬寒かった」という。「だから、建てるなら木の家がいいねと言っていたんです。その上で薪ストーブのほっこりする暖かさがあれば、理想的だなと思いました」。 田邊さんの住まいの中心は、1階の薪ストーブのあるLDKと、LDKに続く畳コーナー。この空間が廊下で親世帯の寝室へとつながり、吹薪ストーブを通じて深まる親子の絆右:ダイニングの一部にスタディコーナーを設置。家族の気配を感じながら勉強ができる。 左:増子社長のすすめでつくった畳コーナー。気分を変えて食事をしたいときや、子どもが小さかった頃はお昼寝などに重宝したそう。き抜けを介して2階の子世帯につながっている。薪ストーブの設置にあたり、設置場所と温熱効果について調べ、吹き抜けの真下に設置を決めたというご主人は「特に2階が暖かい。冬でも半袖で大丈夫なくらいです」と話す。 この家に暮らしてから震災も経験したが、住まいに大きな被害はなかったという。増子社長は「長期優良住宅の厳しい耐震基準をクリアしているので、揺れにも強かったのだろう」と説明する。ご主人は「どこかに出かけて帰ってくると、改めていい家だなあと思いますね。以前暮らしたアパートでも、実家でも感じることのなかった気持ちなので、家を建ててよかったと心から思います」と笑う。奥さんも「自分の好きなものに囲まれているので、居心地がいいですね」と楽しそうに話してくれた。 今後の夢を聞くと、ご主人は「そろそろ息子に火の扱い方を教えていければ。今は朝晩は私が、日中は両親が火の管理をしているので」とのこと。この冬は、田邊さんの家に新しい薪ストーブの達人が誕生しそうだ。

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