雑誌「チルチンびと」69号掲載 福島県 ㈱増子建築工業
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1812階の床は、45㎜×105㎜の杉材を渡りあご(半欠き)で組み、釘2本斜め打ちした根太に、30㎜×120㎜の杉板を釘2本で打ち付けた頑丈な造り。『チルチンびと「地域主義工務店」の会』東北ブロックと東北能力開発大学校(当時)との共同実験で、床倍率2.5倍が認定された。広間からキッチンを見る。大黒柱は、7寸のケヤキ。2階梁は、元口1尺5寸、末口1尺1寸、福島県産90年生の杉。Gさんが特にこだわり、工事中に天井板を剥がしてもらい、現しにしたという梁だ。薪ストーブで朝まで暖かだった 「寝る前に薪ストーブを熾おきび火にしておくだけで、朝まで暖かいですね。冬は、エアコンは使ってないです」と、Gさんは語る。羊毛断熱材の保温力と、杉が蓄熱しゆっくり放出する遠赤外線の輻射熱が、心地良い暖かさをもたらしているのだろう。伝導・対流・輻射という熱の伝わり方を考えた時、薪ストーブはその三つすべてを持ったすぐれた熱源であり、再生可能な植物を燃料とする「自然エネルギー暖房器」である。自然

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