雑誌「チルチンびと」69号掲載 福島県 ㈱増子建築工業
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180 定年を迎えたGさん夫妻は、中古で購入し長年住んだ家を「寒くて、結露して、土台が傷んで来た」ことから、建て替えることにした。こだわったのは「木の香りがする県産材の無垢の木の家で、予算の範囲でつくれること」。しかし「近所に伝統的な大工技術でつくる工務店がなかった。ベイマツやロシア産の欧州アカマツを使い、合板フローリングをボンドで張っている工務店ばかり」「福島県でも、三春や郡山、会津には、木組みを現したいい家があるのに」と、郡山まで足を延ばした。『チルチンびと』で知っていた増子建築に「高くて予算と合わないだろうけど、まあ寄ってみるか」と、モデルハウスで相談してみたところ「意外に高くなかった」し、増子則雄社長が予算の範囲で柔軟に対応してくれ、設計監修の伊藤誠康さんがプランや仕上げの材質や色など、的確な案を出してくれた。「チルチンびと・地域主義住宅」の耐震・断熱性能を満たし、52種類の化学物質が国際基準値以下、オール国産材という仕様によるコストアップ分は、200万円の「長期優良住宅先導的モデル事業」補助金でまかなった。

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