大分県 地域別特集 65号掲載
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の面ですぐれた材となる。同社では、九州大学の協力で、その効果を科学的に調査している。ツアーに参加した子どもたちは、ここで湧き水える。  護持の森には、山から湧き出る水源の見学スポットや、同社が行う「輪掛け乾燥」のストック場がある。井桁の形に積まれた約1万本の丸太が並ぶ景色は圧巻だ。「輪掛け乾燥」とは、旬伐りした木を、丸太のまま1年かけて自然の力で乾燥させる手法。人工乾燥の材に比べて調湿機能の面ですぐれた材となる。同社では、九州大学の協力で、その効果を科学的に調査している。ツアーに参加した子どもたちは、ここで湧き水に手を浸し、山と川の関係を学び、大人たちは「輪掛け乾燥」を実際に見ながら、木への理解を深められる。 「見えにくい林業という仕事を、わかりやすく見てもらえるのが護持の森。輪掛け乾燥の検証や、山の整備、そしてSGEC認証の取得など、私たちが取り組んでいることを可視化、数値化することで、自信を持って説明ができるようになりました」と、同社の渡邉雄一郎さんは語る。 上津江をふるさとに広がる交流の輪  たくさん勉強した後には、楽しいバーベキュー大会が待っている。安成工務店、トライ・ウッド両社の社員が、屋台を出して参加者をもてなす。余興は、花火にスイカ割り、着ぐるみをまとった社員による戦隊ヒーローショー。子どもたちが笑い疲れて眠るまで、楽しい夜は続いた。  なぜ、林業会社がここまでやるのか、と藤川さんに尋ねた。「トライ・ウッドは、山主さんから預かった木をまちの人に届ける代行会社です。山とまちに生かされているから、山とまちをつなげる努力をする。そのきっかけをくれる安成工務店は、最高のパートナーですね」  安成工務店の渡邊美恵さんは、「毎年、盛り上がりが増しています。昔

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