雑誌「チルチンびと」87号掲載 熊本県 ㈲金子典生工房
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219中に入って驚くのは、山からそのままやってきたかのような堂々とした丸太の梁。その存在をより印象的なものにしているのは、メリハリの効いた壁仕上げ。窓の高さまでは暖かな色味の杉板、それより上は白い珪藻土で爽やかな印象だ。飛んだり跳ねたり、元気いっぱいの子どもたちの動きも、やわらかい杉の床が受け止める。 転勤で県内を転々としていた一家。家づくりを考え始めたのは、ご主人が生まれ育った町に戻ることになったからだ。子どもたちの健康のためにも、口に入っても安全な自然素材と無垢材の家を求めていた。 無垢の木の家に絞って展示場をまわったが、「どこも、完璧に整えられたデザインがよそよそしくてなじめなかったんですよね」とご主人。諦め気味になった折、奥さんがネットで「熊本県 木の家」と検索してヒットしたのが金子典生工房だった。 昭和59年に創業した同社は、当初から一貫して自然素材と県産材で建てる家づくりにこだわってきた。金子美智夫社長自ら原木市場毎日でも飽きない手づくり弁当のような家ゆったりとしたLDKにはたくましい丸太の梁が架かる。子どもの絵など気兼ねなく飾れるように板壁に。庭で遊ぶ親子。休みの日にはデッキにお茶とおやつを出して、男3人でカフェごっこをするのだそう。お兄ちゃん二人を追いかける三男。やわらかい杉の床が小さな手足にやさしい。

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