雑誌「チルチンびと」98号掲載 佐賀県 ㈱未来工房
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川沿いの木々を取り入れる開口をつくることが設計のはじまりだったそうだ。床には八女、構造材には本格燻煙した産地指定の球磨杉を使用。薪ストーブはダッチウエストのクアドラファイヤエクスプローラーⅠ。針葉樹も燃やせる鋼のものを選んだ。137のは未来工房。ご主人は初め家を建てることにさほど乗り気でなかったというが、自然素材にこだわる未来工房には心が動いた。「展示場は木の香りがすごかったですね」と振り返る。「飾らずシンプルに。年をとったときのことも考えて、古くなって味が出るように」。それが夫妻の希望。薪ストーブに漆喰、無垢の木、いぶし瓦に大谷石を取り入れた。玄関からの動線は奥さんのこだわりだ。子どもが帰ってきて手を洗い、リビングを通って2階に上がること。お客さんを通す時はキッチンを見せないこと。建築に関する勉強の跡が本棚に残る。 未来工房の設計担当は坂本孝之さん。「この家は方位とマッチしていたのもラッキーだったんです。景色がいいほうが南。そちらに広く開口をとり、気配を消したい道路側は小窓にしました」。北側の2階子ども部屋の小窓は横に開く縦滑り窓で角度をつけることで、風をうまく取り込むことができる。

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